講談社2011年
先日、やっと「
風と木の詩」13冊を処分した。
今読んだらどうだろうかという気持ちに、二度と読みたくないという気持ちが勝ったのである。
ちなみに初版で13巻揃ってるので、まんだらけにでも売ろうとか思っていたのだが、13巻で完結ではなかったということを今さら知って、がっくり。状態も悪かったので廃品回収に出しました。
13巻でリタイアしてたんだな私。
悪いけど、そもそも竹宮恵子はあまり好きな漫画家ではないのだ。
それなのになぜ「風と木の詩」だけは読んでいたかというと、ほかになかったからである。
あの時代に、誰も描かなかったことを描いたことは立派だと思うけど、当時から「私が読みたいのはこーゆーんじゃないんだけどなあ」という気持ちは確かにあった。
あらゆるテイストのホモ漫画がより取り見取りの今は本当に天国だ。
生きててよかった!と本気で思う。
よしながふみの「きのう何食べた?」は、主人公がゲイカップルなのに、恋愛や性愛を描いているわけではない。
青年誌連載の、とても実用的な料理漫画・・・これは「風と木の詩」から35年、日本の同性愛漫画の一つの到達点かもしれない。
5冊目の今回は、「
ジルベールのような美少年」が登場。
よしなが先生は何を見てコレを描いたんだろう?
もはや似てるのか似てないのかわからない・・・ジルベールという記号。
美少年でなければ同性愛漫画が許されなかった時代があったんですよね、という皮肉がこめられてるように感じるのは私の思いすごしであるあろう。
普通に働いて、毎日一緒にご飯食べて暮している40代のゲイカップル。
悩みはもはや恋愛関係ではなく、老いた親のこととか健康のとことか。
同棲3年目にして初めて健二の両親のことを知る史朗。
そこが夫婦と同棲の違いだな。
でもついにマリッジリングを作って、一歩前進?
ドラマがないようであるこの二人の「私生活」をいつまでも見ていたい。