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恋を知る 月村奎
 ディアプラス文庫2011年

短編集なのである。

短編が5編と思ったら「small things」は4話から成り立っているので、つまり9組のカップルの話なのである。

そのほとんどが「片想い」「告白」が主題になっている。

好きだという気持ちをひたすら隠して付き合ってきたけど、耐え切れなくなって(あるいはふとしたことで)告白、玉砕かと思ったら実は相手も・・・

という似たような展開の話もいくつかある。

それでも1粒ずつ色の違うチョコ菓子のように、一つ一つがキラキラと輝いている。

あとがきに「こんなんでいいなら私も書いてみようかしら」と創作意欲をかきたてられるでしょうなどと自虐ネタを披露していますが、いやいや、こういう短編集を出せること自体が作者の力量を示していると思う。

「告白」と「片想い」を入れて9本書いてみろって言われたら、素人はこんなにバリエーションつけられないですから。

朝チュン未満」と言ってるように、エロはない。
それ以前の話なんだけど、萌えどころがないわけではない・・・いや萌え萌えです。
もっと読みたいけど、ここで終わるから想像が広がるという・・・さすがBL作家。
書けそうで書けないプロフェッショナルな仕事なのだ。

ずっと片想いしていた担任の教師に、ゲイショップの近くで補導され最悪の形でバレて自爆する「恋を知る」、ずっと相手を年下好きと誤解して悶々と同居していた「賞味期限以内にお召し上がりください」がいい。

他と違うパターンだが、人気アイドルとローディという、1冊だったらこの人が書くことがないような「チューニング」もいい・・・やっぱり全部いい。

やっぱりいいな月村奎は。
| 月村奎 | 23:49 | comments(0) | - |
禁縛 剛しいら
 プラチナ文庫2011年

緊縛師(33)×歌舞伎役者(25)

剛しいら、今年最初の新刊「白銀の虜囚」(ルナノベルス)は、ロシアンマフィアに拉致される若き刑事とロシア皇帝の宝石の行方・・・という大掛かりなサスペンスもので楽しめたが、エロスという点ではいつも以上に薄口だったなあ・・・おっと、巨匠に求めるべきエロスはこっちだった。

テッシーこと勅使河原教授(お久しぶり!)も絶大の信頼を置いていた伝説の天才緊縛師、筧徳次郎のあとを継いだ安念龍地(あんねん・りゅうじ)と、悩める梨園の御曹司の縛り縛られのSM世界。

龍地の本業は、叔父(元民謡歌手)がやっている民謡酒場で津軽三味線を弾いているという・・・いや〜こういう設定そのものが好きだな。
緊縛師という非日常的な職業が、場末の民謡酒場からもれ聞こえる三味線の音でリアリティを持つ。

・・・まあここでそう思えるかどうかで、読者を選ぶ話ではあります。

草次(そうじ)は女形の名門の跡取りとして大切にされているが、世襲の役者の育成システムはある意味で人格を無視した虐待でもある。
歌舞伎の世界のことが深く書かれているわけではないのに、やっぱり巨匠は芸人というものの本質がよくわかっていると思う。

生まれたときから大きな名跡を背負っているプレッシャーと、生来の特殊な性癖の二重苦で抑圧されていた草矢の才能は、龍地の縄で縛られることで開放され、「娘道成寺」の白拍子花子の情念をつかみ役者として開花する。

本編の中でノーマルな行為は出てきませんが、お互いに愛があるので普通にやってもできそうな二人。
BLという目盛りの中ではめいっぱい耽美寄りではあるけれど、あくまでBLなので安心して読めます。

同人で続きが読みたい・・・。
| 剛しいら | 10:34 | comments(0) | - |
束縛の呪文 夜光花
 キャラ文庫2010年

俳優(26)×カメラマン(26)

1コしかない夜光花のエントリー「愛にふれさせてくれ」に最近コメントをつけてくれた方がいて、そういえば5年前に数冊読んで以来夜光を1冊も読んでないということに気がついた。

その時の印象としては、面白いけど文体が少々アマチュアっぽいかなってかんじ・・・それが久しぶりに読んでみたら、すっかりこなれていて、順調に新刊を出し続けていた年月を感じた。

フランスに渡りカメラマンの助手をしている喬一(きょういち)と、新進俳優の義隆(よしたか)は、高校時代に付き合い始めて、いろいろあって、現在はたまに喬一が日本に帰ってきたときは一緒に過ごすという、遠距離恋愛の恋人のような関係。

実は濃くて暗い執着を隠している喬一の、思い込みの激しすぎる行動がそもそも愛し合っている二人の間を複雑にしているのだが・・・それは置いといて。

男同士の関係として妙なリアリティを感じた。
もちろんゲイでも同棲して夫婦のように暮してるカップルもあるだろうけれども、俳優とカメラマンの卵のような職業で、活動拠点が違う場合、やっぱりそれぞれの道を行くしかないんじゃないの?
男女でも同じかもしれないけど。

ロマンス小説としてのBLは、キャリアを放棄してでも愛に生きる!っていうハッピーエンドが座りがいいのかもしれないけど、喬一があまりにも疑い深く臆病で恋愛に向かない人なので、ほどほどにしとけ、カメラマンと俳優でそれぞれ成功をめざせばいいじゃん!と言いたくなってしまう。

・・・という的外れな?感想を言いたくなるのも、この二人、結局最後までお互いに理解しないままだから。

王道ものが好きな私ですが、リバでもおかしくないような男同士の対等な駆け引きが斬新で萌えどころでした。
ちょっと夜光さん読んでみるかな。



| その他のBL作家 | 16:09 | comments(0) | - |
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