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決別の塔 剛しいら
 ダリア文庫2010年

医師(33)×医師(29)

ふう〜終わった・・・いや、まだ終わってないけど。
FIFAワールドカップ南アフリカ大会。
期待されてなかった岡田ジャパンが一次リーグ突破、最後はPK戦ではずした駒野を中澤や松井が抱きしめて慰める・・・という腐女子的にもたいへん美しい光景で締めました。

はっ!とか言って11日に開幕してから一回も更新してない!
・・・というわけで少し正気が戻ってきました。

剛しいらのダリア文庫新刊、今回は医者もので、お得意の「箱入り息子」ものである。

白鷺は、裕福な開業医の息子。
親が買った恵比寿のマンションに住み外車に乗る生活が普通だと思っている大学病院の外科医だったが、師事する教授の医療ミスの責任を負わされて、山の中の診療所にすっ飛ばされる。

そこで待っていたのは赤ひげ先生ならぬ、自分でヘリを操縦して無医村を飛び回るスーパードクター黒河だった。

たった一人で山間医療に奮闘している黒河は、「国境なき医師団」上がりのサバイバル派、家事からヘリの操縦まで何でもできるワイルドな男前。
権力や組織に縛られず、一人でなんでもできる男・・・作者的にも理想の男像だよね、たぶん。

白鷺は黒河の助手としてこれまでと全く違う医療の現場に飛び込み、失った医師としての自信を取り戻す。

大学の医局で、教授の威光の下、序列や出世のかけひきに明け暮れた挙句、スケープゴートにされた傷心の白鷺がそんな黒河に恋に落ちるのは当然の成り行き(BL的に)。

黒河は、最初こそ都会から来た白鷺に手厳しい言葉を浴びせるが、根は優しく、白鷺の告白に真摯にこたえる。

巨匠の最近の作品は、どちらかが強引だったり、片想いにグルグルしたりすることは少なく、お互いに言葉で気持ちを確かめあい理解し合って結ばれる、というパターンが多い。
エロ度は低めかもしれないけど、私はこの「ちゃんとした大人の恋愛」が好きだ。

しかし、黒河の過去やスポンサーのことなど明らかにされないまま話は終わる。
これって歌舞伎でいう「本日これきり」、続編を待て、っていうことですよね??
| 剛しいら | 15:40 | comments(1) | - |
イノセンス 幼馴染み 砂原糖子
 
ルチル文庫2010年(アイスノベルズ2005年の文庫化)
議員秘書×幼なじみ

知的障害のある子の話なのかと思って読み始めたけど、これはちょっと違うんじゃないかと。
睦(むつみ)は確かに極端に勉強ができず年齢よりずっと幼い言動をとるけれど、子供の自己中心的でワガママなところもなく、問題行動も起こさないし、対人関係も築けている。

睦は、人が大人になるにつれて失っていくものをずっと持ち続けているピュアな存在の象徴で、砂原さんの作品の「言ノ葉ノ花」とか、「15センチメートル未満の恋」のような、寓話系の話だと思う。

幼稚園のときからずっと、睦は卵焼きと変身ヒーローとふかふかのタオルとお隣のクルちゃんが大好き。
クルちゃんことお隣の優等生、来栖(くるす)は、「普通の子供ではない」睦をいつも守ってきた幼なじみである。

優等生と劣等生という組み合わせは、BLでは定番のカップリングだが、どちらかというと劣等生が優等生に対して引け目をかんじてグルグルするパターンが多いような気がする(それは崎谷はるひだけ?)

しかし嘘も駆け引きも持たない睦は、ただひたすらクルちゃんが大好きで、誰にでも「クルちゃんが好き!」と言う。

そんな睦から高校卒業と同時に逃げ出した来栖と、8年後に東京で再会して同居に至るまでの長い話は、睦視点と来栖視点が交互にあるが、これはやっぱり、来栖の物語なのではないかと私は思う。

中学生で自分は養子だったと知り、人格者だった父親を越える人間にならねばといつも無理をしている来栖の、失ってきた自分の魂の片割れが睦という幼なじみなのだ。

睦が自分を好きなことはよくわかっている。
自分も睦が好きだけど、だからといってどうにもならないと逃げ腰の来栖は、仔犬のように健気に追いかけてくる睦を突き放したり追いすがったり態度が一貫しない。
議員秘書からいずれ政界に出る・・・というキャリアプランも迷いばかり。
大人になっても迷子の来栖に、まっすぐな道を示してくれるのは、嘘を言わない幼なじみの存在だった。

睦は、普通じゃないけど陰湿なイジメにあっているわけでもなく、両親に愛され、いい友達もいる。
ひたすら来栖を慕い続けるところはせつないけれど、「かわいそうな話」ではない。

結局、睦はとてもいい子でみんなに愛されている・・・敵役のお嬢様にまで仕事を紹介してもらってるし。
キワモノかと思ったら、意外にのほほんとしたいい話だった。

エッチはちょっとしたショタ風味になっていますが・・・それもカワイイ。

| 砂原糖子 | 16:07 | comments(3) | - |
タンデム〜狂犬と野獣〜 沙野風結子
 ラヴァーズ文庫2010年
暴力団構成員(25)×公安刑事(30)

沙野さんはいろんなものを書く人で、最近は新装版も続々と出ているが・・・私はこういう沙野さんが一番好きだな。

「こういう」とはどういうのかと言えば、図体のデカい肉食系同士が雄の意地をかけて狩り狩られ・・・みたいな。
こういうものを書かせたら沙野さんの右に出るものはいない。

「公安の綺麗すぎる狂犬」と仇名される、靫真通(ゆぎ・まさみち)は、ドSで凶暴な公安の刑事。
カルト教団を内偵中に、暴力団構成員、峯上周(ほうじょう・あまね)に目をつけられる。

峯上は暴走族上がりの大男で、一見鈍重そうだが、危険なこと野獣の如し。
靫は自分をエサにこの野獣を手なづけて手駒にしようとするが、野獣は皿まで喰らい尽くし・・・。

同時多発テロを企てるカルト宗教、政権交代をめぐっての与野党の攻防と謎の教祖・・・公安ものとしてもよくできていて面白いのだけれど、沙野さんといえば、常に開拓精神にあふれたエロ描写。

今回も身長190超えの野獣攻めと179の狂犬受け(両者ともにkyokon)の激しい・・・・・・確かにこれはマウンティングと呼ぶほうがふさわしい行為だ。

峯上は野獣らしく動物なみのセリフしかないのだが、行動は雄弁。
絶体絶命の淵にいる狂犬を確実に助けに来る。

「周、俺を、助けろ」
「助ける」


2人の間に愛情を確かめるような言葉はない。
言葉は必要がない二人だけど、確かに心が近づいているシーンで終わる。
ぜひ続編が読みたい。

ちなみに峯上の象徴として、ボスホスという大型バイクが出てくる。
バイクにうとい私は検索してみたら、まるで戦車みたいな巨大なマシン・・・バイク好きな人にはこの巨大さが「セクシー」なのだろうか。
こんなバイクに190超えの男が乗っていたら、怖すぎだろと思う。

「あんたも、マグロじゃいられないとき、あるだろ」
| 沙野風結子 | 16:45 | comments(0) | - |
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