CALENDAR
S M T W T F S
      1
2345678
9101112131415
16171819202122
23242526272829
3031     
<< May 2010 >>
SPONSORED LINKS
ARCHIVES
CATEGORIES
RECOMMEND
RECOMMEND
RECOMMEND
RECOMMEND
RECOMMEND
RECOMMEND
amazonで検索
現在時刻
amazon.co.jp
MOBILE
qrcode
スポンサーサイト

一定期間更新がないため広告を表示しています

| - | | - | - |
INVISIBLE RISK 1  崎谷はるひ
 ダリア文庫 2010年

ベーシスト(20)×ボーカリスト(19)

崎谷はるひの初期作品を3か月連続で新装文庫化。
まだ1巻しか出てないんで、書くのは早いんですけど。

バンドものか・・・バンドものなんだよ・・・。

そういえばBLでバンドものって見ない・・・アイドル、俳優、ソロミュージシャン、モデル、漫才コンビのBLはあっても、バンドものって読んだことないなあ。
書いてる人もいるのかもしれないけど、少なくとも主流の作家はあんまり書いてないと思う。

流行らないのか?バンドもの。
男たちの集団という人間関係、ともに夢を追って、貧乏で、対立があって・・・青春だぜ。
BL向けの舞台な気がするんだけど、なぜみんなバンドBLを書かないんだろう。

今どきのバンド事情ってのもよくわからないけど、やっぱそういう「青春」は古いのか?

いや、古いというより、BLはやっぱり女のドリームなので、そんなビンボ臭い話より、身寄りのない美少年が大金持ちに拾われて磨かれてスターになるとか、かっこいいヤクザと美人刑事が追ったり追われたりするような話のほうが、圧倒的に需要があるのだろう。

90年代のバンドシーンが舞台ということで、新装版には最初のページに「90年代初頭の日本というのは・・・」という時代背景の解説が加えられているのだが、90年代をそれほど昔と思ってない私は、これを読んで「え、そうか?70年代生まれから見た90年代ってそうなの?」とちょっと違和感を覚えたのだけど、本編(改稿なし)を読むうち、そうか・・・90年代ってもうこんなに遠い昔なんだ・・・とあらためて思った。

「曲作ったから聞いてくれ」と、カセットテープを渡してテープデッキにかける・・・

というようなくだりは、「古いっ!」と思うけど、じゃあ今のバンドの子たちってどうしてんだろ。
CD−Rに焼いて渡す?
ネット上の共有フォルダにアップロードするとか?

・・・よくわからないけど、現代の若者のバンドものを書かれても、やっぱ私にはついてけないかも。

美形のボーカル(野良猫系)と、無口で無骨なベーシストの不器用な恋模様。

作者も若かったのね、という勢いで書いてるようなところもありますが、独特の節回しというか、崎谷さんしか使わない言い回しが頻出していて、すでに崎谷ワールドは確立している。

なにより、かなりボリウムのある1冊目でも話はまだ佳境にも行かず、あとまだ2冊あるのだ。
新人作家が、これだけの長編を書くことがすごい。
そこがこの人の才能なんだなーと思う。

3冊そろってから読んだほうがいいかも・・・とは思ったけど、古い作品なので、とりあえず1冊読んでみたら、いいところ「続く」でした。
ここが頑張りどころだ杉本!というところで、2巻が楽しみに待つ。
| 崎谷はるひ | 11:22 | comments(0) | - |
ポチとタマ 玉木ゆら

Bプリンス文庫2009年

会社員(28)×翻訳家(28)

自分のBLセンサーの定期点検のため、しばし再読モードに入ってました。
このセンサーはときどき「初期化」しないとダメなんです。

崎谷さんの「ANSWER」と「SUGGESTION」を読み、剛しいらの「座布団」「花扇」および同人誌一式を読み、どろどろ情念の世界にどっぷり浸りきったところで、さて、アッサリしたものが読みたいなと、未読箱から取り出したのがこれ。

玉木ゆらは、何冊か読んでいる。文章は上手いと思うんだけど話がいまいち面白くない・・・男おいらんシリーズも、生クリーム入りどら焼きのような邪道テイストが私の好みではない・・・とあまり相性のいい作家ではなかったのが、これはいい。

もともとはモバイル配信・・・携帯小説だったもの。

会社員のポチこと修司と翻訳家のタマこと太一、ちょっとボーっとした太一をタマ、タマにベタ惚れの修司をポチと、お互いに呼び合っている、付き合い始めて6年目のゲイカップルの日常を、1話10ページ前後のショートショートで描く22編。


なるほど・・・携帯小説もこういうものならいいかもしれない。

大事件はない。
いや、かつてこの2人が付き合い始める前にはプチ修羅場があったのだが、それも過去の話。
交際6年目にして同棲生活に入った2人のシアワセな日常ってやつが、ポチ視点、タマ視点で交互に描かれる。

小さな痴話喧嘩、ささやかな行き違いがあっても、眠くなるほど平和で、それこそが幸福。
そんな何気ない情景をほのぼの描くのにこの人の文体は向いていると思う。

タマの家族関係の話が一度も出てこないことと、最後に30年後の話になるのだが、そこが軽いのが惜しい。
30年たったらどんな平和な家庭にもいろいろある・・・巨匠剛しいらならたとえSSでもさりげなく「歳月の重さ」を書けるのだが・・・そこが作者の若さか。
| その他のBL作家 | 12:16 | comments(0) | - |
50×50 国枝彩香

リブレ出版2010

国枝彩香は、シリアスとコメディの幅がものっすごく広い人ですが、新刊はまるごとリーマンコメディ。

高校時代からモテを競っている腐れ縁の2人、フラれる周期が一緒で、フラれると飲んでクダ巻いて前後不覚になって、一夜の過ちを犯し、その都度なかったことにして、毎度同じことを繰り返しているという・・・まあ、オチが見えるようなお約束のコメディなんですが、ギャグは半端じゃないし、レディコミ作家の強みで女性もいろいろ描けるし、あー面白かった〜、笑った〜という1冊なんですが、これってエッチは全部、いわゆる「朝チュン」なんですね。

国枝さんはもともとそんなにきわどく描かない人だけど、それにしても最初から最後まで「朝チュン」とは。大人同士なのに?
これは昨今の「規制ムード」を先取りしてるのだろうか?と穿ってしまったりして。

国枝さんくらい上手けりゃ、朝チュンでも十分に面白いわけですよ。
作者もあとがきで「攻め受けがわからないカップルを目指した」と書かれてますが(えっ、黒髪攻めじゃないの?!と思ったのは私だけ?)、これだったら子供が拾って読んでも大丈夫(かな??)

大阪ではついにBL雑誌が名指しで「有害図書」指定されちゃいました。
「有害」って言い方はどうなの? 作者に対して失礼な・・・と思うけど、異性愛同性愛に関係なく具体的に性行為が描かれていたら「成人指定」っていう判定はある意味公平だろうと思う。

でも「女性が普通の本屋で買いやすいエロ漫画」という役割も担いつつ、売り上げを伸ばしてきたBL業界の経緯を考えると、そういう判定をされちゃったら、商売としては厳しいかもね。

エロBLは同人誌に回帰、商業誌はエロなしでも描けるBL漫画家の育成にシフト・・・となるでしょうか?
どうかな・・・。

1巻と打ってないけど、これで終わりなのかな? まだ連載中?
ここで終わっても続いてもいい・・・みたいなかんじですね。
| コミックス | 22:14 | comments(0) | - |
約束の香り 剛しいら

ガッシュ文庫2010年

議員秘書(28)×理容師見習い(19)

高校時代に電車の中で痴漢から助けてくれた男に、理髪店のバイトと客として再会、2人は恋に落ちる・・・という、BLとしては小粒な話だけど、こういう小品をピリっと仕上げるのが巨匠の巨匠たるゆえん。

篤季(あつき)は、父は公務員、母はパートで働き、妹が一人いるという平凡な家庭の子。
金持ちでも貧乏でもない「普通の子」を主人公に仕立てるのも巨匠の筆力があらばこそ・・・篤季は、勉強は好きじゃないが、香りに敏感で男の身だしなみに強い関心があり、高校卒業後、理容師を目指す。

このまっとうさがいいな。
親が公務員だったら、一人息子が大学に進学せず職人になるってのには多少の抵抗があると思うけど・・・それはひと昔の話か。
今は下手な会社員より「手に職」だよね。

そして男前の議員秘書と床屋の見習い少年が恋に落ちる・・・いかにもBL的ファンタジーのようではあるけれど、早くに家族を亡くして叔父の養子になった和田は、幸福がなんであるかを知っている。

愛する人が待っている家に帰ること。

和田は、野心を抱き権力を目指して闘争する政治の世界から逃げ出して、男たちを清潔に美しく整える職人の恋人と生きる道を選ぶ。

「御前」と呼ばれる「影の大物」が、高学歴で見栄えがよい男を孫娘の婿に選んで、自らの地盤を引き継がせる・・・私ら庶民にはそれこそファンタジーにしか思えないようなことが、政治の世界では現実に行われているわけだから、こんなラブロマンスがあってもよいではないか、と思うのだ。
| 剛しいら | 11:42 | comments(0) | - |
| 1/1PAGES |