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くちびるに蝶の骨〜バタフライ・ルージュ〜 崎谷はるひ
 ダリア文庫2009年

元ホスト・飲食店オーナー(34)×会社員(32)

先行する原作コミックとのリンク小説。

これ・・・みなさんが言うほど痛い話じゃないと思うんですよね。
むしろ、最近にない「激甘カップル」じゃないかと。

いわゆるDV男というのは、仕事もダメで、外ではへーこらしてても家で女房を殴って怪我させる、それに対して、女も「私がいないとこの人ますますダメになる」と思って離れられない共依存ってやつでしょ?

王将は、男としての魅力もあり、仕事も成功して金もある。
千晶(ちあき)だって、無職の愛人ではなく、ちゃんとした仕事も収入もある。
いつだって逃げられるのに、12年も一緒にいたのは、やっぱりお互いに必要だからでしょう。

千晶は「惰性」とか言ってますが・・・惰性であんな強烈なプレイはしないと思いまーす。
ま、ちょっと変わったプレイかもしれないけどさ。

王将のような男にも女にもモテるフェロモン男が、12年も同一の相手に激しい欲望を持ち続けているということ自体が千晶へのゆるぎない愛の証・・・。最初から最後までラブラブじゃん、この二人、と思うのは私だけ?
もっとも、王将の「絶倫」ぶりが異常と言ってしまえばそれまでですが。




| 崎谷はるひ | 22:25 | comments(0) | - |
心臓がふかく爆ぜている 崎谷はるひ
 ルチル文庫2009年

会社員(30)×会社員(30)

「信号機シリーズ」は理屈っぽくてどうも・・・でしたが、今回のルチルの書き下ろし新刊には、本来の甘さが戻ってきているようです。

幼なじみとハーブ&アロマ雑貨ショップを立ち上げ、今ではリラクゼーションサロンを手広く経営する弘(ひろむ)は、ダメ男に振られてばかりのゲイ。
大手企業から転職してきた降矢(ふるや)のような、見るからに仕事のできるイケメンは苦手なタイプだったのだが、一緒に仕事をするうちにいいカンジになってしまい・・・。

齋藤弘・・・受けの名字が「齋藤」ってあんまりないよね。
見た目も性格も地味・・・地味と言うか、イラっとするくらいマイナス思考でうじうじしている。
でも変な色気はあって、男は切れない・・・しかもロクでもない男ばかり。

いるよね、こういう人(女)って・・・。
弘の場合は、もともとの暗い性格に、ゲイであるということが、ものすごいコンプレックスになっちゃってるわけだが、でも、弘のような、物事に対してネガティブになってしまう弱気な部分っていうのは、自分もある。
物事に楽観的になれない、というのは、もう持って生まれた性質なのだと思う。

そういう人には、降矢のような大雑把でも推進力のあるタイプはよきパートナーだろうとは思うんだけど・・・大雑把×繊細のパートナーシップは実に微妙なバランスである。

くだらないことで喧嘩して、仲直りしてハッピーエンドというシンプルな構造、女装社長という強烈な脇役を配して、女性向けのビジネスというわかりやすい世界を描いてるところに良さがある。
| 崎谷はるひ | 21:29 | comments(0) | - |
はつ恋 榎田尤利
 ビーボーイノベルズ2009年

教え子×教師

今年の高校のクラス会で、20代で亡くなったクラスメイトの写真を誰かが持ってきて、女子全員「Kくんてこんな美少年だったっけ?!」「佐藤○に似てる・・・」と騒然となった。

クラスで「美少年」と言われてモテモテだった男子はほかにいて、Kくんは全然目立たない、ほとんどの女子の記憶に残っていないような人だったのに、ウン十年たってみるとキラキラの美少年だったといのはどういう魔法なのか・・・なぜ当時誰も気付かなかったのか。

もし今の自分の精神のままで、高校時代に戻れたら・・・ということは、たまに空想してみることがある。
今の自分の目だったら、Kくんの美少年ぶりに誰よりも先に気がついて・・・でも、30前に病気で死ぬってことがわかっていてお付き合いするのは悲しすぎる・・・。

いわゆるタイムスリップもの。
31歳の弁護士が、高校時代の担任の通夜の帰りに交通事故に遭って14年タイムスリップ、高校2年に戻ってしまう・・・という話を、コメディで書くという選択肢もあったんじゃないかと思うけど、今回はシリアスです。

記憶喪失で肉体が大人のまま精神が退行する話もよくあるが、これは逆で、入れ物が若いのに中身が大人・・・エダさんらしい芸の細かさで、17歳の肉体に31歳の精神が入ることの不自由さを描く。

当時24歳の新米教師だった曽根は、31歳の弁護士である久我山から見ると、頼りない若造なのだが、曽根にとっての久我山はあくまで未成年の教え子。そんなねじれた関係の、年上なのに年下の曽根に、31歳の精神で再会した久我山が恋をする・・・初めての恋を。
そして14年後、借金を苦に自殺する曽根を、高校生に戻った久我山は救うことができるのか?というSF仕立てになっている。

この「寓話」は、いろんな読み方ができると思う。

自己中心的で自分のことしか考えられない幼稚な大人がもう一度、高校生からやり直してみる、という話。

高校生が大人より繊細というのは嘘で、無知で鈍感な生き物はいろんなことを見落としている、とか。

17歳のときは理解できなかった他人の美点に、30過ぎた分別を持ってみれば気付くことができる・・・とか。

甘くないロマンチックファンタジーでした。
| 榎田尤利 | 16:04 | comments(0) | - |
はじまりは窓でした 名倉和希
 新書館ディアプラス文庫2009年

窓拭き職人(25)×会社員(35)

たまたま会社の更衣室で、股間を露出しているところを窓拭き清掃員に見られてしまったからといって、わざわざその人間の名前を突き止め、呼び出して「見たことは他言しません」という一筆を取る人なんているだろうか。
だって更衣室なんだし、怪しい行為をしていたわけでもない・・・。

と思ってしまうかどうかが分かれ道だと思いますが、私は、「いるいる、知ってるこういう人」って思い当たることが大いにあって面白かった。

何か一つのことが気になると、それだけでいっぱいになり、他のことが見えなくなってしまう・・・窓の外から下半身を目撃されたことより、そんな一筆をとりに行くほうがよっぽど恥ずかしいだろう・・・というふうには考えない。

商社営業課長の吉岡は、自分にも他人にも厳しく、規律を重んじるために、会社では意地の悪い上司として嫌われている・・・と自分では思っている。
実際は、嫌われているのではなく、あまりにも極端な性格で浮いているのだろうと思う。
でなきゃ、眼鏡を替えただけで人気者にはならないでしょう。

窓拭き職人の白柳(しろやなぎ)は、年上が大好物のゲイなので、飛んで火に入る夏の虫というやつで・・・。

吉岡の「自爆キャラ」と、白柳、通称シロのワンコっぷりが楽しいコメディでした。
| 名倉和希 | 22:27 | comments(1) | - |
恋と告げるまで 名倉和希
 ダリア文庫2009年
商社部長(30)×イラストレーター(24)

「期間限定の恋人」で、最愛の弟をライバルの元同級生に取られちゃったお兄ちゃんの救済作。

政之は老舗商社の社長の息子、つまり御曹司でエリート部長。
政之が、自社のイメージアップ戦略の要に新進気鋭のイラストレーター・鷺沼透を抜擢したことで、二人は出会う。

スクエアな商社の部長さんと、天真爛漫なアーチスト、全く反対のキャラだけど、二人は出会ったときからいい感じで、バイセクの透のリードもあって自然に付き合い始める。

政之が溺愛している異母弟を恋人と勘違いして・・・というお約束の行き違いが起こるものの、取りたてて大波乱というほどではなく、これは甘々カップルの「痴話ゲンカもの」ってやつでしょう。

しかし、前作では「ちょっと変わった兄」というキャラだった政之の、「生真面目な世話好き」という性格がよく出ていて、その相手に甘え上手なカワイイ系を持ってきたところがよかった。

弟の由耶は、自分が甘やかされるより「ダンナに尽くしたいタイプ」だったから、高村みたいな男に走ったのね。本作では、すでに高村が敷かれてるかんじですが。

透は24歳の社会人としては、子供のように淋しがり屋の甘えん坊だけど、才能あるアーチストだからそれでいいのだ。政之も、同性との熱愛が部下にバレバレでも頓着しない御曹司らしい鷹揚さがあって、お似合いの二人。
言ってみれば、将来の社長であるエリートが、美人女優と結婚するようなかんじ? 

ひたすら甘くて甘〜いラブストーリーにいい仕事をしてくれるね、名倉さんって。
| 名倉和希 | 11:03 | comments(0) | - |
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