職業不詳(34)×大学生(18)
幻冬舎ルチル文庫 2007年
『獅子座の男』の続編。
「レオが好き」と思いを決めた一途な「泣き虫バンビ」有季はすでに最強である。
どんなひどいことを言われて理不尽な仕打ちで泣かされても、自分の知りたいことはしつこく聞き、自分がこうと思ったことは曲げないマイペースぶりにレオも手を焼いている。
今回の話は、有季がちょっとした反抗心からレオのライバルに近寄り、痛い目を見てまたレオの懐に戻る・・・というような展開だけど(その危機一髪はちょっと安手なんですが)、そうこうするうちにレオの正体も徐々に見えてくるという・・・。
レオは悪者ぶっているけど、本当の悪人ではない。
「ちゃんと働いて税金も払って投票にも行くまっとうな東京都民」(←本人の弁)
それは予測がついたけれど、だんだん見えてきた有季の将来像は・・・ちょっと意外。
『獅子座の男』の最初のほうに、父の希望で政治学科に進んだが内気な自分が政治に向いてるとは思えない・・・みたいなことがチラっと書いてあって、「ま、そうだろうね」と思って読んできたが・・・誰にでも何にでも正面からぶつかっていくところ、無駄に正義感が強いところは意外に政治家向きの資質かも・・・。
問題なのはレオ。
「あんなに骨抜きにしてやったつもりなのに」とか言ってるけど、骨抜きにされているのは自分・・・なのにけしてそれを認めようとせず、今日も有季をさんざんに(ベッドで)苛めて泣かせて全然悪くないのに「ごめんなさい」と謝らせて、その姿がいじらしくて可愛くてたまらず、また苛める・・・というループにはまっている獅子座の男。大丈夫かあ?
こういう話はえてして攻めがすぐヘタレてしまうものだが、レオが自分が夢中になっていることを(まだ)認めてないので、かろうじて「このド淫乱」「ごめんなさい」プレイは続行中・・・この続きが読みたいものだ。