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愛していると言う気はない 英田サキ
探偵(37歳)×ヤクザ(30)
 SHYノベルズ 2008年

「さよならを言う気はない」は、英田作品のなかでも地味な作品だと思う。
一応、天海は、派手な刺青を背負った父親殺しの過去を持つ美形ヤクザと華やかだけど、いかんせん陣内が・・・靴下に穴のあいてる貧乏探偵だし。

37のオッサンで貧乏というのがBLで許されるのは、金なんかいらねーという野蛮系オヤジくらいだと思うんだけど、この陣内はクソ真面目で不器用、家賃の滞納にビクつき、カップ麺を大事に食いつなぎ、趣味はパチンコという正真正銘のショボクレたオヤジ。

17歳の高校生と25歳の刑事として出会ってから12年の紆余曲折を経て、2人が結ばれる「さよならを〜」は、ラブラブカップル誕生!という感じではなく・・・気性の激しい天海に殴られ蹴られいたぶられる陣内が情けない・・・この情けないところがいい、と言うにはちょっと微妙なかんじだったけど、この続編を読んで陣内×天海のダメダメカップルにすっかり惚れ直した。

口の悪さ手の早さと裏腹に、陣内だけに甘えてる天海が可愛い。そして融通のきかない陣内の律儀な男らしさもカッコイイ(相変わらず貧乏だけど)。
今回は天海狙いの美形でド変態のヤクザ我那覇(がなは)の登場で話も派手になり、これはまた面白いシリーズになったと思う。

今年最後のお買い物・・・年末の配送事情をかんがみて久しぶりに書店で新刊を買い求め、渋谷の「まんだらけ」に寄ってみたら、背の高い、どこかの国の王子様かと思うような金髪碧眼の外国人が「新着委託同人誌」のコーナーを夢中であさっていた・・・。
最後に「まんだらけの王子」を見たということで、よき年の瀬であった。

みなさま今年もご来訪ありがとうございました。
良いお年を迎えください。
| 英田サキ | 00:44 | comments(0) | - |
キャラ・コレクション・エクストラ(キャラ文庫小冊子)
子供の頃、クリスマスや正月がなんであんなに待ち遠しかったかといえば、やっぱり欲しいものを買ってもらえる、お年玉がもらえるっていうことが一番大きかった。
昔の子供は、めったに物を買ってもらえなかったんですよ。
子供の頃の欲しかったものって、本とかマンガとか・・・本とかマンガだったんですけど・・・。

大人になった今、欲しいものは欲しいときに買ってしまうので、クリスマスも正月も待ち遠しくはない。マンガ本などを大人買いするときは「大人っていいな〜」と思わないでもないけど、どうせ私の欲しいものなんていつでも大人買いできる程度のものなんです。
手に入らないものは、クリスマスでも正月でも手に入らない・・・。

8月に申し込んだキャラ文庫の小冊子が、クリスマス前についに到着。
雑誌買って文庫2冊買って小為替1000円でしたっけ? 
ちまちまと応募シールを貼り、郵便局で小為替作って・・・なんでいい大人がこんなことやってるんだよー私・・・と思いましたが、12月に入って、まだかな?そろそろだよね?と毎日郵便受けをのぞいて、来たときのうれしさはちょっとだけ子供の頃のクリスマスを思い出した。

キャラ文庫10周年記念小冊子、人気作品の番外編が11本入ってなかなか豪華。
榎田尤利の「歯科医の憂鬱」、英田サキ「DEAD LOCK」など好きな作品の番外編はもちろん、これから読む予定の番外編(松岡なつき)も入っていてまさに「福袋」でした。

最初からこれを3000円出して買えといわれたら・・・買うかもしれないけど「お楽しみ感」は半減するよね・・・。

今年も残りわずか・・・お買い物は月末の新刊を残すのみ。

メリークリスマス。

| - | 23:35 | comments(0) | - |
青鯉 たけうちりうと
「青鯉」「星のもとで君が」「デリート」(短編集)
 SHYノベルズ 2007年

これをBLとして出すSHYノベルズって・・・かなり豪胆だと思う。
崎谷はるひの「少年人形」を出したきもやるなーと思いましたが、BLレーベルだからここまでってことにしましょう、というボーダーが感じられない。
ボリュームや装丁も変幻自在だし・・・やっぱりエロ本屋特有の柔軟性を感じますね。

たけうちりうとの新刊、予告のあらすじを読んだときは「ファンタジー系?」って思ったけど、実際読んでみるとファンタジーと言うより文芸系? 「ボーイズラブ」の様式とは関係ない普通の(?)小説だなと感じた。

「青鯉」の主人公は、郊外の一戸建てに妻と娘と暮らしている平凡なサラリーマン。
だけどBL的に「オヤジ」とくくられる中年とも違う。妻と子どもとの日常生活に安住している普通の市民が(私の脳内映画化では役所広司がキャスティング)ある日突然、肉体が魚類化して水と「仲間」を求めずにはいられなくなる・・・。

もう一つの「デリート」は、吸血鬼・・・といってもまだ30代のグラフィックデザイナーで、助手をとっかえひっかえしてその生き血を飲みながら、自分の「天使」を探している。

全く別の話なんだけど、この二つは同じ話だと思った。

人はどこから来てどこに還って行くのだろう。
ということと、
人はこの世でただひとりのパートナーを生きてるうちに見つけられるものなのか?
とうことについての二つの寓話である。

「青鯉」では主人公は妻を捨ててパートナーを選びなおし、「デリート」ではこれまでの人生哲学を変更して、ただひとりのパートナーを選ぶ。そう考えると全く難解な話ではない。
妻と別れて・・・という話はBLにはあまりないけど、「デリート」は移り気な男が本気の相手を見つける話ととらえればBL的な展開で、もしかして「吸血鬼」というのは本人の単なる思い込み、気のせいなんじゃないかという気がする。

どちらもBL的な約束事からあまりに離れているので、BLを読みましたという気はあまりしない。ただ面白かったというかんじ。

1998年と2000年に小説JUNEに掲載された作品とのこと、やっぱりJUNEって最後まで文芸系だったんだなあ(だからつぶれた?)と思いました。
| たけうちりうと | 17:30 | comments(0) | - |
龍と仔猫 高尾理一
ヤクザ(36)×フリーター(18)
ショコラノベルズ 2007年

借金のカタにヤクザの愛人になる・・・まいどおなじみの設定である。

ホステスをしている姉の借金を肩代わりしてもらう条件として、ヤクザの志堂の愛人になった雅人。

借金云々は単なる口実で、ヤクザが一目惚れして手段を選ばず自分の物にしたかったに決まっている、最終的には若い愛人に骨抜きにされて・・・とおおよそ話の行方は見当がつくにもかかわらず・・・いや〜久々にエロくて可愛いヤクザもののアタリでしたね。

志堂は一見コワモテだけど、それこそお姫様に尽くすように雅人を大事に扱ってる。
でも真面目で潔癖な雅人には、そんなヤクザの乙女ゴコロなんてまるで理解できないので、「一回の値段を決めてください!」なんてとんでもないことを言って、ヤクザを拗ねさせたりする。

志堂が自分に惚れて助けてくれたなんて夢にも思わない雅人は、「俺に飽きられたかったら、俺に尽くせ」なんていう志堂の言葉を真に受けて生真面目に「愛人」勤めをする。そもそもヒモに貢いで借金を膨らませたバカな姉のために自分が犠牲になるような、健気な子。それもこれも志堂にはも〜可愛くてたまらない。

しかも未使用・未開封の新品。
志堂がいつも「いい子だ」とつぶやき、「お前、やることなすこと可愛すぎるぜ」と浮かれるわけだよ・・・。オボコな雅人にアレやコレやを教え込む志堂は鼻歌でも唄いそうなエロおやじぶり・・・こういうエロの趣向はけっこう好物です。

「惚れちまったか、俺に」
なんて臆面もなく言うところもいい。

年の差のある男に大切にされる話・・・別にオヤジはヤクザじゃなくても社長でも医者でもいいじゃないかって話だけど、こういう男気と稚気が同居しているキャラがBLヤクザの役割なんだと思う。
| 高尾理一 | 23:34 | comments(0) | - |
アパルトマンの王子 榎田尤利
王子(22)×不動産屋(24)
徳間書店キャラ文庫2007年

次々とホモカップルが増殖中の藤井沢商店街シリーズ、カーディーラー、歯医者と板金屋、喫茶店ときて4弾目は街の不動産屋。作者もヤクザの抗争よりずっと書きやすそうに見えます。

藤井沢の小さな不動産屋に家賃3万のアパートを探しに現れた王子様は・・・系列にホテルも有する大手不動産業の御曹司の世羅(セラ)。
いくら世間知らずのボンだからって、運転手つきのロールスロイスでアパート探しに来たり6畳一間のアパートに4トントラック1台分の荷物は持ってこないでしょ・・・というマンガっぽい話にもかかわらず・・・商店街シリーズとしてはなかなかいいところをついている・・・この話、私は涙腺を押されっぱなしなんです。

家族経営の小栗不動産も駅前に大手不動産屋の支店ができてから右肩下がり、七年前に父が亡くなってから伯父とともに商売を継いでいる長男の優一は、まだ24歳の若さながら五人兄弟の長兄として父親代わりとして、一人で苦労を背負っている。

アメリカ育ちの御曹司は、「30万円で3か月生活して苦労してみる修業」を祖父から命令されて藤井沢に引っ越してきたわけだけど、そんな大金持ちのふざけた話に真面目に付き合う必要はないのである。
お目付け役だっているんだから飢え死にしたりするわけないのに、心配して布団を貸してやったり食事の面倒をみてやったりする優一。

稀に見るお人よしである。
ヤンキーの弟の受験勉強から8歳の末の妹の面倒まで見て、さらに赤の他人の店子が困っていると手を差し伸べずにはいられない。たとえむくわれなくても、そういう性分なのだ。

この「貧乏人の子だくさん」を絵に描いたような小栗家の長男と「セレブな金髪の御曹司」(←帯の文句)が身分違いの恋に落ちるという格差カップルコメディなのだが、私にはそういうふうには読めない。

毎日真面目に働いているのに、不正な接待もせずうそもつかず一生懸命働いているのに、収入は増えず生活必需品は値上がりし生活は苦しくなるばかり、このまま年金も健康保険も破綻するんじゃないだろうかという不安に怯える・・・これが少数の「セレブ」の方以外の大部分の日本人の2007年の生活実感ではないだろうか。

金髪の王子様なんか現れない。

・・・でも現れたらいいな。1日だけでも。そして
「呆れるほど、きみは優しい。いつだって人のことばかり考えている。まったく合理的じゃなくて、ビジネスライクじゃなくて、損ばかりして・・・でもそんなきみを、みんな大好きじゃないか」
と言ってくれたらどんなに素晴らしいだろう。

・・・という貧乏人庶民のファンタジーなので、世羅がどんなに浮世離れした王子様でもいいのだ。
クリスマスシーズンの読書におすすめの1冊。
| 榎田尤利 | 00:00 | comments(0) | - |
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