久しぶりにお気に入りの漫画家に出会えたので、ガツガツ読んでます神楽坂はん子。
『
駅から5分』(シャレードコミックス2006年)は、作者も「3年も連載させてもらったのに」と書いてますが、結局ボーイズラブには至っていない。非常に古典的なマンガのネタである、
長屋の貧乏話。
でもこの人の「笑い」のセンスはいいね。女装バーでバイトしている売れない俳優、乙骨新一郎がチョイ役で出る昼ドラのタイトルが「
薔薇と醤油」だったりとか。
それから投票日前に読んだタイムリーな『
そんな場合じゃないだろう』(大洋図書2003年)。政界BLってけっこうあるけど、選挙の面白さを描いたものってあんまりないような気がする。
与党幹事長の小田島の秘書である鴨居は、密かに小田島に片想いしているが、小田島は愛妻家でまったく脈はない。ただひたすら秘めた思いで尽くしていたのに、小田島は病気の妻の看病のために突然政界を引退してしまう。この告白もできずに終わってしまう恋もいいね。
二世議員の高木とは、そうとは知らずにバーでナンパされて以来、不本意ながら「カラダの関係」を続けている。
高木は父親の急死で地盤を継いだ自他共に認めるボンクラ議員。
解散総選挙となり、高木は自分の政策秘書に造反されて議席を失い、初めて真剣に政治家を志す。小田島の引退で仕事を失った鴨居は、高木の秘書となってともに選挙を戦う。
ボンクラの高木が(一応カッコイイ攻めなんだけど)政治家として目覚め、それを影で支える鴨居もだんだん本気で好きになっていく。選挙も恋も二人三脚。
しかし選挙って面白いよね。開票番組見てていつも思うけど、政治やってる人って、政治より選挙が楽しいんじゃないの? っていうところも面白く描かれている。
エッチ控えめだけど、受けの表情が色っぽい、のが私のBLコミックの好み。鴨居の美人秘書ぶりはまさしくそれ。
高木は一応既婚だけど、男をナンパするくらいだから本来はそっちの人だよね。もちろん鴨居はバリバリの本物で、そこもポイント高いです。