俳優(30)×俳優(25)
徳間書店 キャラ文庫2005年
剛しいらの「顔のない男」シリーズの3冊目。
新刊で買ったのに、ありゃ?気づいたら2年も積読・・・。
けっこう人気のあるシリーズなんだけど、どうも私はこの飛滝(ひたき)という
天才俳優が苦手で・・・3作目が出たときに1作目からもう一度読み直そうと思っているうちにはや2年。歌舞伎役者なら生まれた子供がもう初舞台に立っちゃいますよ(笑)。
一気に3冊読んでみて、役に入ると私生活まで役になりきってしまい私生活でも素に戻らなくなる・・・それって「天才」っていうか単なる困った人では?という突っ込みはやっぱりあるんだけど、それよりも最初に読んだときにはあまり魅力的に思わなかった音彦の、ルックスがいいだけでなんとなく俳優になってしまった「普通の若者」が、飛滝の天才ぶりに振り回されながらも、愛する男を目標にして俳優として成長しようと一生懸命頑張るところがいいなと思う。
音彦は天才俳優ではないけど、天才じゃないところが君のいいところなんだと言ってあげたくなる素直さがある。みんなが天才俳優だったら困るし。でもそういうことを飛滝さんは言ってあげないんだけどね。自分が天才だってことも気がついてないから。
「愛のない男」では飛滝はオフで初めて素顔らしい素顔を見せる。音彦がCM撮影のために家に連れ帰った子犬が2人の間にちょっとした騒動を起こすというこのシリーズの中ではちょっと異色の話。
「時のない男」は、イギリスBBCの招きでドラマ撮影に渡英した飛滝を音彦が追いかけて行く話。
このBBCのドラマでの飛滝での役どころは100年前に死んだ日本のサムライ男爵で、なんと『仇なれども』に出てくる架空の長妻藩とリンクしている。
音彦にオファーが来た「4人のライフセーバーの映画」というのは『愛され過ぎて孤独』のことかな?
一般的に言っても人気俳優と人気女優のカップルは長続きしないけど、この2人は音彦が人気俳優になっても全然タイプが違うから大丈夫じゃないかと思う。
4作目はなんかの拍子にブレイクした音彦という展開を期待。