雑誌は読まないことになっているのですが・・・『ドアをノックするのは誰?』のSSが読みたくてつい買ってしまった『シャレード5月号』に思いがけない収穫が。
あまりにも個性的すぎるデビュー作
『棒投げ橋で待ってて』の小林典雅、その後2冊目が出たという話を聞かないので、やっぱりこれ一発で消える
キワモノ作家だったのかと何気に気にかかっていましたが、たまたまこの5月号に『嘘と誤解は恋のせい』が掲載されてました。(これまで他にも書いているのかどうかわかりませんが)
これがまたたいした「芸達者」ぶりで、笑いすぎて腹が痛い・・・。
榎田尤利、烏城あきら、鳩村衣杏・・・筆力のある人はみなコメディが上手ですが、この人の「笑い」はそういうのともちょっと質が違う。
今回のネタは、内気な主人公が隣人に片想いしてることを知った親友が、近づきになるための「偽アンケート」を作る・・・この設問と、回答の独断的分析がメチャクチャおかしい。
はっきり言って「これだけ」といってもいい話なんだけど、「これだけ」で1話引っ張れないですよ、普通は。っていうか、こういうところにここまで力を入れないって。
この人、こういうネタがいくらでも沸いてくるんだったら
相当な変人・・・いや才能だと思うし、1年くらいかけて作り込んだギャグだというのなら、それはそれですごい。
『棒投げ橋』のときも、この才能はBL作家にしとくのはもったいないんじゃないかと書きましたが、今回は設定自体は『棒投げ橋』ほど奇抜ではなく、BLらしいエッチもちゃんと書いて、かなり歩み寄っている。
これでこの続編を「らしく」まとめることができたら、この人は「余人をもって代えがたい」BL作家になるのではないかと・・・大いに期待している。