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Stepbrother 榎田尤利
営業マン(28)×課長(28)
 リブレ出版BBN2007年

榎田尤利×国枝彩香という、私にとってはゴージャスなカップリングの新刊。

お互いの親の再婚により義理の兄弟になった2人・・・という設定はBL的にはよくあるけど、28歳っていう設定はかなり高め。
それぞれの親は49歳と52歳とずいぶん若いけど・・・。

28歳は、親と同居していてもおかしくはないが親の再婚に抵抗を感じるほど子供ではない、さりとて兄弟ができて嬉しい年齢でもない。

「よかったな、健輔。おまえ弟がほしいって言ってたもんな」などと言うのんきな父親に
「弟がほしかったのはキャッチボールの相手が欲しかった小学生の頃の話だ」と思うけど、口には出さない。
男手(女手)一つで育ててくれた親の幸せを願うほどには大人になっている・・・という28歳にしたところがこの話のポイントかなと思う。
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| 榎田尤利 | 22:55 | comments(0) | - |
紅の大王 剛しいら
国王(32)×正妃(28)
『黒衣の公爵』(2006年)の続編

 学研もえぎ文庫 2007年

助教授」という呼称が、私になんの断りもなく「准教授」に変わっていた。その理由はどうでもいいんですけど・・・「准教授」じゃ萌えない(笑)。
「助教授」っていう単語には、スケベっぽい、セクハラっぽい響きがある・・・『ドアをノックするのは誰?』の甲田だって、助教授だからいかにも教え子に手を出しそうなのであって、准教授じゃちょっとねえ。

今は存在しなくても小説的に魅力がある言葉・・・たとえば「公爵」「陛下」「正妃」「若様」・・・そんな単語を使って歴史小説でない小説を書くとすればファンタジーになる。
舞台は未来の人類が移住した他の天体というSF設定だが、テイストは王朝ロマン。

白銀の髪、紫がかった瞳をした白皙の公爵は、これ以上の美貌はこの世にないと思わせるほど美しい男だった。

この美貌の青年に「シオン・ド・オルレアン公」という名前を与えたかった、男たちを狂わせる美青年の呼称は「公爵」でなければならない・・・というところから、この500年前の宇宙移民が二つの国に分かれて戦争をしている・・・という大掛かりな設定を必要とした、と私は思う。

作家の仕事は言葉を蘇らせるだけでなく、誰も見たことのない生き物や食べ物に新しい名前を与えることでもある。「海犬」とか「飛び花」とか、想像の産物である不思議な事象と、戦争という人間の歴史から消えたことのないおなじみの悲劇とが絡み合う壮大なファンタジー。
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| 剛しいら | 18:49 | comments(0) | - |
夜に咲き誇る 英田サキ
暴力団幹部(33)×秘書(37)
 プランタン出版プラチナ文庫 2007年

ついに完結「夜の」シリーズ・・・とはいってもドラマチックな部分は2冊目まででほぼカタがついているので、完結編というよりは、探偵をやめて溝口組若頭である久我の秘書に転職(?)した秋津の「その後編」であります。

やっぱ「ヤクザ攻め」を書いたら、どうでも最後は「姐さん」になるところまで書かないと気がすまない・・・なんだかんだ言って作者も読者も「極妻」が好きなわけよ。

久我と共に生きる道を選ぶ・・・といっても盃を交わすわけでない。
「指輪の交換」だったり「永遠の愛の誓い」だったりと演出は甘々なのだが、男が男に丸ごと人生を預けるとは・・・結局最後は「生きるも死ぬもお前と一緒」と、けっこうマジに任侠してますよ、この人たち。

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| 英田サキ | 19:42 | comments(0) | - |
夕陽と君の背中 六青みつみ
高校生(17)×高校生(17)
 幻冬舎リンクスロマンス 2007年

切ない系ファンタジーものあるいは、悲劇のヒロインものが得意な作者の初の学園ものは、「青くて甘酸っぱい青春の味」でした。

バスケ部のスタープレイヤー、向陽(こうよう)に密かに片想いしている勇貴(ゆうき)は、鈍感な彼の気を引きたくて学園祭の企画で女装(BLでヒロインが女装っていう趣向はわりと珍しい気がするんだけど。私が知らないだけ?)、なりゆきで告白してしまうが、返ってきたのは手酷い拒絶と嫌悪の言葉だった・・・。

「向陽、おまえケツの穴ちいせぇよ」と何度思ったことか。
いくら驚いたからって、昨日まで仲良くしてた子にそこまで言わなくても・・・っていうくらい酷いことを言うんだよね。
それでいてそれからひと月もたたないうちに「俺、どうしてもおまえとひとつになりたい」とか言っていきなりアオ○ンかよ! こらこら。

この向陽って子は、ナリはでかいが情緒は小学生。まあそこがいいんだけどね。17歳だもん。
17歳の恋なんて、男女だってうまくいかないのに男同士・・・妊娠の心配がないのはいいけど(!?)・・・お互いにムダに傷つけ合ってばかり。
「いつも一緒にいられる高校時代からそれじゃ先が思いやられるね」という有馬先輩の意見に私も一票。(失恋したヒロインをすかさずさらっていく有馬先輩、つけこみ方も引き際もスマートでナイスなアテ馬だった)

でもそういうところが、青くて酸っぱくて青春の味なんですね。 
学園ものとしては珍しくキューンときました。

ところで学園ものの定番で、学園祭が山場になるんだけど、この高校の学園祭は楽しそう。実行委員有志による「女装ガイド」とか。「メイド&執事カフェ」(男女逆)とか、注文すると全員で「よろこんで!」と唱和する焼きそばの模擬店とか・・・こんな学園祭だったら、父兄のふりして潜入したいものです。

| 六青みつみ | 23:48 | comments(0) | - |
シャレード5月号


雑誌は読まないことになっているのですが・・・『ドアをノックするのは誰?』のSSが読みたくてつい買ってしまった『シャレード5月号』に思いがけない収穫が。

あまりにも個性的すぎるデビュー作『棒投げ橋で待ってて』の小林典雅、その後2冊目が出たという話を聞かないので、やっぱりこれ一発で消えるキワモノ作家だったのかと何気に気にかかっていましたが、たまたまこの5月号に『嘘と誤解は恋のせい』が掲載されてました。(これまで他にも書いているのかどうかわかりませんが)
これがまたたいした「芸達者」ぶりで、笑いすぎて腹が痛い・・・。

榎田尤利、烏城あきら、鳩村衣杏・・・筆力のある人はみなコメディが上手ですが、この人の「笑い」はそういうのともちょっと質が違う。
今回のネタは、内気な主人公が隣人に片想いしてることを知った親友が、近づきになるための「偽アンケート」を作る・・・この設問と、回答の独断的分析がメチャクチャおかしい。
はっきり言って「これだけ」といってもいい話なんだけど、「これだけ」で1話引っ張れないですよ、普通は。っていうか、こういうところにここまで力を入れないって。

この人、こういうネタがいくらでも沸いてくるんだったら相当な変人・・・いや才能だと思うし、1年くらいかけて作り込んだギャグだというのなら、それはそれですごい。
『棒投げ橋』のときも、この才能はBL作家にしとくのはもったいないんじゃないかと書きましたが、今回は設定自体は『棒投げ橋』ほど奇抜ではなく、BLらしいエッチもちゃんと書いて、かなり歩み寄っている。

これでこの続編を「らしく」まとめることができたら、この人は「余人をもって代えがたい」BL作家になるのではないかと・・・大いに期待している。


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