美術商(27)×漫画家(27)
ビブロス 2003年
これはまだBLビギナーのときに読んだ作品なので、豪徳寺薫子先生のあまりのダメ人間ぶりと東海林の超過保護ママぶりにちょっと引いてしまったんだけど・・・マンガ家シリーズが出揃った今読み返してみると、やっぱり面白いじゃんと思う。
ルコ先生もこれで漫画の才能がなければ、あるいはメジャーな売れっ子漫画家だったら、ちょっと違うんじゃないの?というところだけど、
山下清画伯級のアーチストだと思えば、誰かが手を差し伸べてくれる人生がふさわしい気がする。
そして東海林という人(おそらく蟹座)・・・赤ん坊のような漫画家に餌をやり巣をきれいにしていつも健康状態に気を配り、説教しつつもたっぷり甘やかす。
母親のような、というのは違うだろう。
我が子を虐待する親・・・というのは極端にしても、すべての母親が世話やきというわけではない。だいたい27歳にもなった息子にこれだけ手をかけている母親がいたらそれはそれで問題だ。
東海林がルコちゃんにかける手間ひまは、彼の中にある・・・そう「
真実の愛」(@姫女苑麗奈)なのだ。
義務でも責任でもない。ルコちゃんのメンテナンスを排他的に独占したいという欲望が彼の真実の愛なのである。彼がそれを自覚したとき性愛と合流してしまうが、それは別になくてもいい・・・とは言わないまでもオプションという気がする。
それにしても、東海林の作る鶏団子鍋はおいしそうだなあ。
これを読んだら猛烈に食べたくなって、さっそく今年最初の鶏団子鍋になりました。
11月にリブレから復刊されるそうですが・・・豪徳寺薫子先生、椎名リツ先生、立花キャンディ先生・・・美形設定の三人が勢ぞろいするシーンが読みたいです。