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仇なれども 剛しいら
芝居小屋小間使い実ハ新政府間諜(26)×海軍少尉(23)

 キャラ文庫 2004年

「古都の紅」を読んだら、連想ゲーム的に読み返したくなった。
これは剛しいらの中でも、かなり格調高い本格的な時代小説だと思う。

江戸が東京になって6年、「仇討ち」が禁止された明治4年、若き海軍少尉・鷺沼錦は8年間探し続けた兄の仇をついに見つける・・・場所は芝居小屋で賑わう猿若町。
この冒頭にワクワクできる人はこの小説にハマるはず。

兄の仇として追っていたのは、かつて国元で衆道の契りを結び「兄様」と呼んでいた三橋一磨。一磨はある日突然、錦の腹違いの兄を殺害して脱藩、出奔したのである。

「仇を討ちたいのは兄上のためじゃない。私を捨てた兄様が恨めしいからです」

そんな錦の一途な思いが逃げる一磨を追い詰める。

話は8年前に遡り、衆道の風習が残る長妻藩(架空の藩)の藩校。
ひときわ注目の新入生は城代家老の妾腹の息子・錦。美童の錦を狼藉者からガードする役目を買って出た腕自慢の一磨との幼い恋は、心身の成長とともに激しい恋に変わっていく。(このへんは江戸の学園もの)

しかし明治維新という歴史の激動が2人を引き裂く・・・これがなかなかスケールの大きな話で、ボーイズラブというよりは、維新をはさんだ8年間、武士の子として育てられた2人が追うもの追われるものに別れながらも、新しい世の中で新しい生き方を探す「幕末純情青春物」というべきかもしれない。

ラストの「下回りの女形役者」を使ったトリックも通好みで、また今市子のイラストが素晴らしくマッチしていることも言うまでもない。

作者あとがきに、長年温めていた話をやっと書かせてもらったとあるけど、こういう話ダメですか?
けして地味だとは思わないんですけど。
| 剛しいら | 16:15 | comments(0) | - |
古都の紅 剛しいら
刑事(29)×刀工(28)
アイノベルス 2006年

出版社へのアンケートにも書いたことがあるけど、剛しいらにはもっと時代物を書かせるべきだと思う。
何を書いても上手いし面白いけど、現役のBL作家で「ちゃんと読める」時代物を書けるのはもはやこの人だけだと思うので。
でもあんまり需要がないんだろうなあ・・・。

時代物のニーズがない代わりかどうかは知らないが、パラレルものはけっこう書いてる。
この「古都の紅」はパラものではなく現代ものなんだけど、かなり時代物テイストが味わえる。

「紅」と「白」、2振りの日本刀は揃って保管されていれば何事も起こらないが、ひとたび別になると「紅」は血を求めて人斬りを呼び、もともと「紅」を封印するために作られた「白」は愛し合う男同士の「白いもの」を呼び寄せるという、剛しいららしい奇抜なアイデアのもと、過去にこの刀を所有した江戸時代の藩主と小姓、戦争中の海軍将校の悲恋を、現代の2人の関係に重ねる。

江戸時代、戦争末期、そして現代と三つの時代が交錯するスイッチは、「見えないものが見える」刑事の霊感と、殺された時代小説家の残した小説・・・「ボーイズラブ」の中にJUNEっぽい話が入れ子になってるかんじ。かなり複雑な構成なのに混乱させないのは、さすが剛しいらの職人技。

精錬で心優しい剣道六段の刑事、京介は、剛しいらの得意な攻のパターンだけど、和服の似合う美貌の刀工・博雪は、美しいだけでなく刀鍛冶としてのたくましい筋力と、腕に覚えある剣の遣い手でもある。
それでいて恋には深窓の姫君のように純情無垢であるところがなかなかカワイイ。
| 剛しいら | 15:44 | comments(0) | - |
しのびごと 松浦巽
民俗学者(24)×ホラー作家(24)
アクアノベルス 2003年

非常に気になるCMがある。

シュチエーション 船長(藤岡弘?)×乗組員
乗組員「先輩! 洗ってきました!」
船長(洗濯物の匂いをかぎ)「いい匂いだな、昨日洗ったのか?」
「いえ、一週間前です」
(なんだかキャッチフレーズがあって)
甲板の上に勢ぞろいする真っ白いシャツの野郎ども。

2回しか観てないので私の勘違いかもしれないが、一度見たら忘れられないインパクト。香りが持続する洗剤のCMらしいんだけど、商品名は覚えてない。
だって、それどころじゃないでしょ(笑)

洗濯洗剤のCMといえば、お母さんが泥んこの子供の服や夫のワイシャツを真っ白に洗う・・・というジェンダー偏りまくりの世界だったが、愛する人のシャツを真っ白に洗うのは女の特権ではない・・・という画期的なCMである(違うの?!)

さて本日はアラスカさんから巡ってきた珍味。

恋愛小説ではないBLというのもある。
若き民俗学者とホラー作家が北陸の秘境の村に、七年に一度の奇祭の取材に出かける。
そこで見た秘密の儀式は・・・もちろん男だけのエッチな儀式なわけですが、しっとりしたタイトル、緊縛SMプレイもたっぷりなわりには隠微でも耽美でもない。
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| その他のBL作家 | 19:37 | comments(0) | - |
恋愛証明書 崎谷はるひ
会社員(32)×レストラン従業員(24)
ルチル文庫 2006年

どーして田舎のオバサンって男が独身でいるのがそんなに気になるんでしょうね。

「ほれ、○○さんとこの息子さん、まだ一人者なんだと」
「あれ、そうかい。もう40過ぎてるっしょ。いいとこ勤めてるのにまだ嫁さん来ないのかい。いたわしいねえ(もったいないの意味)」

こっちに来て何度こういう会話を聞かされているか。
「お義母さん、きっといろいろ事情があるんですよ」「本人が幸せならいいじゃないですか」と言いたい気持ちをぐっと抑えてるんですが。

しかし知らないところでオバサンに何を言われていようと、未婚率は全国的に上昇中・・・出産費用の無料化なんて(悪いことではないけど)少子化対策とは無関係だと思いますね。

さて、これがまた非常に崎谷らしい新刊。
攻はヒロインにゾッコンなのに言葉が足りず、ヒロインはいろいろに気を回して「相手の重荷になりたくない」と身を引こうとする。

こんな古風な女、いまどきいるだろうか。
というかこれが男女の話だったら、少なくとも女性の読者の共感は得られない気がする。

結婚してから自分の性癖を自覚した「転びホモ」の春海。生粋のゲイだけどファザコンで、好きになるのは「良き父親タイプ」ばかりでいつも報われない遼一。

春海は男手で子供を育てているバツイチ独身男なので、問題なさそうなんだけど、古風なヒロインは「良き父親、良き社会人たる理想の男をマイノリティに引きずりこんではいけない」と考える。
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| 崎谷はるひ | 18:43 | comments(0) | - |
金曜紳士倶楽部 遠野春日
講談社ホワイトハート文庫 2003年

北海道は寒い。
そんなことはわかりきってることなのに、こぶしの花も咲き始めた温暖な神奈川にいったん帰ってまた戻ってきたら雪。それも2日間吹雪なわけ。
もー寒いのなんの。
北国の厳しい冬を思い知りました・・・はい。

正気に戻れば「そんな男いないよ」「そんな話ありえない」と思う話でも、読んでるときには忘れさせてくれる、それがBLの悦楽。
っていうか、私はそういうタイプの作家を好んで読んでるわけですが、例外もあり。

遠野春日は正気に戻る暇を与えない。
最初から最後まで「そんな男いるわけないじゃん」という意識が持続したままで読んでますね。
正直、この人の本で最初の数ページでリタイアしたものも何冊かあります。
しかしひとたびこの「ありえないジェット気流」に乗ってしまうと、どこまでも飛んで行く気持ちよさがあるのだ。

この話は一人でも十分過ぎる「御曹司」がなんと5人も出てくる。

政界の御曹司で区議会議員
財界の御曹司で青年実業家
大物フィクサーの孫で大学生
日本舞踊宗家の御曹司で大学生
組長の次男で金融業
唯一の平民?が区議会議員の秘書兼恋人(これがメインのカップル)。

この御曹司たちが毎週金曜日の夜集まって「お茶を飲みながら新聞を読む」ための紳士倶楽部を結成、そのためだけに駒場に洋館を一軒買ってしまう。
そして新聞記事で見つけた「ホモ痴情のもつれピアニスト自殺未遂事件」・・・赤の他人の意趣返しに乗り出す。

少年探偵団ごっこの御曹司版?
なんでこの人たちこんなに暇なの?
区議会議員がそんなことやってていいの?

そういう疑問符は片時も脳裏から去らないにもかかわらず、最後まで読んでしまった。
メインカップルが「意地っ張りの攻と貞淑で尽くすタイプの受」という「情熱シリーズ」と同様のパターンだったからかな。(あんまり理由になってない?)
よくも悪くも遠野春日は非常にBL作家らしいBL作家だと思う。

続編の「封印された手紙」は「日光中禅寺湖・美少年幽霊怪奇事件」の解決に乗り出す御曹司たち編で、途中あやうく遭難しかけたけどなんとか制覇。

「遠野春日を読む」という行為は、私にとって危険な冬山登山みたいなかんじ。
いつどこで遭難するかわからないけど登らずにはいられない・・・そこにBLがあるから。か?
| 遠野春日 | 18:48 | comments(0) | - |
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