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蜜と罪 剛しいら
弁護士(34)×看護士(28)
  徳間書店キャラ文庫 2005年

この不思議なタイトルは実は「回文」なのだ。
上から読んでも下から読んでも同じという。

神流(かんな)は、好みの依頼人は男女の区別なく口説く色男の弁護士。でも自分で思ってるほどはモテないような気がする。
なにしろ「回文」が趣味で「悪い友といるわ」「大麻をまいた」「薬のリスク」「股にタマ」などなど、一日中回文を考えてブツブツ言ってる。
よくここまで考えたなというくらい回文満載、世界初(!)の回文BL小説。

イロモノ? いやいやこれがなかなか面白い。

養父の莫大な遺産を相続した看護士の人見(ひとみ)は、親類から相続の資格なしとして訴えられている。
88歳で死んだ金持ちの老人と、亡くなる3年前に養子縁組して、遺言により全財産を相続する・・・ま、疑われてもおかしくない。
しかし人見は、生粋のゲイだった老人にプロポーズされて、互いに愛し合っていたと言うのだ。
うっわ、「虜囚」に続くシルバーBL(しかしボーイズとは言わんだろうそれ)。
そして愛する人を失って寂しげな人見に一目ぼれしてしまう神流。

この美青年・人見の正体が謎めいている。
本当にかわいそうないい子なのか、ジジイころがしの嘘つきなのか、最後までドンデンにつぐドンデンでわからない。

「人を疑うのが商売」「推理と言い訳のプロ」の弁護士と、騙したり騙されたフリしたり、回文のようにグルグル回る。
法廷ものでもあるわけだが、凝った仕掛けで楽しめる。

今年最後の本も剛しいらであった。
みなさまよいお年を・・・。
| 剛しいら | 00:02 | comments(0) | - |
ボディガードの告白 たけうちりうと
  SHYノベルス 2002年

「紳士とペナルティ」の続き。
あれから6年、警察訓練学校に進んだトムと大学生になった幹。
これもまた別れ話×2である。

自分を慕っている下級生の幹に、トムはずいぶんひどいことをしている。
幹が自分を好きだと知っているのに、気づかないフリをして、かといって突き放しもしない。
ランディを追って渡米するつもりのトムは、やはりいずれは日本に帰る幹を悲しませたくないという理由で、距離をとっている。
しかし幼かった幹も、いつまでも守られるべき無力な子供のままではない。
なんとか言いくるめてあきらめさせたと思っていた幹が、突然「大人の男」になってトムを蹂躙する。
でも結局この恋はここで終わってしまう。

幹をひどく傷つけてまでアメリカに渡って、ランディの会社のボディガードに就職したというのに、ランディに愛されない苦しみから無茶なことばかりするトム。
ついに瀕死の重症を負ってしまう。
普通のBLならここで相手が降参してハッピーエンドになるところだが、ここにきてついにランディとトムは「父と息子」のような関係になり、2人で釣りに出かける・・・という話。

トムを巡る、年上のランディと、年下の幹。結局どっちとも結ばれないなんて、BLとしてはずいぶん効率の悪い話であるが、若くて未来が見えないうちの恋って、普通はこんなもんでしょう。

これでついに!ボディガードシリーズ完全制覇。
グレイとジュンの1話目に戻って読みたくなりました。
| たけうちりうと | 15:42 | comments(0) | - |
紳士とペナルティ たけうちりうと
SHYノベルス 2001年

ボディガードシリーズの脇役、トム・ショルティの巻が2段組で4編。

「警部とペナルティ」「紳士からの手紙」
トムの警官時代の話。
外人ジョークは相変わらずである。フットボールの試合でトムがゴールに蹴りこんだボールの数と、口説いた男の数はどっちが多いか?
「もちろん、ボールの数だ。蛇足ながら口説いた男の球数が奇数ということはない」
この意味がわかるのにしばらく時間がかかりました(笑)。

最後にはトムが日本人研究者・御崎を恋人に得る話だが、研究バカで天然な御崎に周到にアプローチしていく「たらし」のトムという図式は、ボディガードシリーズ本編のグレイとジュンの構図とあんまりかわらないじゃん、とこれだけを読むと思う。
でもこれは、これ以外の話のオチというかエクスキューズなんだよね。

「ノブレス・オブリージ」
トム・ショルティ14歳。イギリスのパブリックスクールの生徒ながらアメリカでのサマーキャンプに参加して、森の中で遭難する。年齢も個性もバラバラな子供のグループをまとめていくトムのリーダーシップを描きながら、イギリス上流階級の「ノブレス・オブリージ」の意味を解く。
救出に来たボディガードのボス、父親ほども年齢の違うランディとトムの出逢いが描かれているわけだが、ボーイズラブの「ボ」の字もありません。「スタンド・バイ・ミー」みたいな話。
この人はこういうジュブナイルが上手いので、BLでなくても構いませんが。

「ワルツ」
パブリック・スクールの最上級生のトムと、日本から来た新入生、羽田幹との出逢い。
これはいわゆる「パブリック・スクール」ものである。
ボーイズラブはロマンスなので、基本的に「恋が成就する話」であるはずなんだけど、実はトムの恋が成就しなかった話なのだ。
一度は恋人になったトムとランディも、お互いに魅かれているトムと幹の恋も結局は成就しない。
年の差が問題なのだ。

BLにおける「年の差」カップルは、年下もうまく成長してハッピーエンドになるのが普通だが、現実に男子の14歳と19歳はかなり違うものだ。
ランディは、19になったトムが「愛されて可愛がられたい男の子」から「だれかを守りたい男」に成長したことに気づき、
「私に抱かれたいと思うあまり、私の前では15の少年のふりをしている」と残酷なことを言う。
そして、その指摘を正しいと思ってしまうトム。非常によくわかる話だが、BLとしては珍しい展開だ。
そしてトムは、守りたい対象として羽田幹を意識する。
この話ではトムと幹が付き合いそうな雰囲気で終るのだが、でもこれも結局うまくいかないんだな。(続きは「ボディガードの告白」)

上手くいかない恋の話・・・BLでは反則である。
ゆえに、ランディとも幹とも別れたあとで恋が実った話を最初におく必要があるのだろう。
| たけうちりうと | 20:30 | comments(0) | - |
真夜中は野獣の法則 金丸マキ
高校2年×高校2年
  コバルト文庫2005年

まさか三冠馬ディープインパクトが負けるとは!>有馬記念
わざわざクリスマスイブの場外に行って、ディープの馬券をクリスマスプレゼント用に買ったのに(笑)。
まあ何事によらず「絶対」はないということ、だから競馬は面白いのだよ、うんうん。(←何度痛い目みても学習しない人)

久しぶりに金丸マキの新刊を読む。
親同士の再婚によって兄弟になった同学年の2人。
兄の憲吾は真面目な優等生、弟の円はネコをかぶった遊び人というよくある話。
金丸マキも最近は文学チックに迷走することが少なくなって、わりとフツーのBLを書くようになった、ようにも見える。

しかし女優である母親に心配をかけないように、一人でも寂しくない、ほどほどに遊んでる手間のかからない子供を一生懸命演じている円の、何重にも屈折したマザコン心理は金丸マキらしく描かれる。
今でこそ人気女優になっているが、幼いときの貧しく不安定な暮らしが円のトラウマになっているのだ。

それに比べると兄の行動心理はいまいちわかりにくい。
憲吾がこの新しい弟を舎監のように厳しく監視して、いちいち行動に干渉してくるのは「好きだから」なんだろうなーというのは、予測できる結末なんだけど(だってBLだから)、円の夜遊び防止のために「夜は野獣」になるっていうのはどうかと(笑)・・・いや、話としては面白いんだけどね。

しかし堅物で全然遊んでなさそうなのに、Hがうまい理由が説明されてないのもなんとなく気になる。だって高校2年なのよ。
| 金丸マキ | 23:44 | comments(0) | - |
窓 水原とほる
  ピアスノベルス 2004年

水原とほるに初挑戦。

つながりのない短編が4本。しかし印象は揃っている。
いちおう当事者的にはハッピーエンドなんだけど「ほんとにそれでいいのか?!」と問いたくなるような微妙な結末。
どっちかというと、昔のJUNEテイストかもしれない。

共通するテイストはSM・・・マゾヒズムかな。

「窓」    同級生、レイプ、同棲、絶対服従
「温かい血」 叔父と甥、同居、言葉責め、首輪と鎖
「秘密」   高校生とゲイカップル、宗教画、3P
「黄色い花」 父と息子=画家とモデルと大学生、代役セックス

普通BLでは省略されている直腸洗浄が必ず書かれているのも特徴。
しかもバリエーションに富む・・・水撒きホースで、グリセリン浣腸で、シャワーノズルで・・・リアリズムというよりは、そこから「羞恥プレイ」が始まっているということなのだろう。

非常にはっきりした個性を持った作家というかんじで、興味深い。

しかし・・・語シスコを読み、水原とほるを読み・・・私のBL道もいよいよ【秘境】に分け入ってきた感があるなあ。
| 水原とほる | 00:00 | - | - |
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