作家(30)×料理人(25)
徳間書店キャラ文庫 2005年
愛する人のために毎日おいしい料理を作るヒロイン・・・BLでは珍しいパターンかもしれないが律にとって料理は家事労働ではなく、プロの仕事なのである。
でも律は作家のお抱えシェフではなく、嫁さんでもある・・・。
それにしても作家の妻。
夫が毎日朝から晩まで家にいて、一日3回食事を作るのもうっとおしいけど(!?)、いつ起きてくるのかいつ食べるのかわからない人のために食事を用意して、仕事部屋から出てくるのをひたすら待つ。
そんな生活、耐えられます? 奥さん!
でも律は「恋人が嫌がるなら・・・」とアルバイトをしたいということもなかなか言い出せない。
こんな殊勝な女がいまどきいるだろうか?(というところも崎谷はるひと共通する)
前作でめでたくまとまった2人、そりゃ佐々原はシアワセでしょうよ。
プロのおいしい料理と一切の家事、いつでもHつきの生活。
(佐々原は律にいったいいくら給与を払っているのだろうか?そこが知りたいよね)
律もシアワセだけど、でもなにかもの足りない。
いまどきフツーの主婦だって、ちょっと料理が得意だったりしたらもう、料理教室やレストランを始めちゃったりするのに、調理師学校を出て実務経験も積んでいる男の子が、わがまま男の専業主婦を務めているのは・・・律が恋に生きる人だからなんでしょうね。
ほんとに佐々原は幸せな男だ。
働きたいと思ったレストランは、サドっ気のある「昔の男」土屋の店だった。この店では働けないと思いつつ土屋に口説かれる律。
よくあるパターンなら、土屋に一服盛られて押し倒され、危機一髪で王子様登場、というところだが、微妙にずらしているところが面白い。
突然ですが。
料理が好きで、洗濯もアイロンかけも好き、オタクだから毎日家に閉じこもっていることも苦にならない・・・自分は主婦向きの性格だと思ったんですが、結局7ヶ月しかもたず、再就職してしまいました。
一日中家にいても意外と本が読めないんですよ。やっぱり「通勤時間」ってのがないとダメみたいです。長年の習慣とは恐ろしい・・・。