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優しいSの育て方 榎田尤利
 2011年SHYノベルズ

痛いのは大嫌い。
ピアスの穴だって開けたくない。
でもなぜか、文学としてのSMは嫌いじゃない。
「O嬢の物語」を読んだのは高校生のときだった。

エダさんもきっと、そういう「他人事としての」SM好きなんだろうなと思う。
最近ではPetLoversシリーズの中にそれっぽいのがちょっとあるくらいだけど、初期のweb小説ではSMテイストのものけっこう書いていたっけ。

でも商業誌で、本物のSM愛好家を真正面から書いたのは、これが初めてではないだろうか(何か忘れてるのがあったら教えてください)。

毎度のことながら、エダさんってうまいよな〜とうならせられる書き出しは、「殿下」という仇名の宮准教授の登場シーン。
舞台は教室、「社会学概論」の1回目の講義である。

いまどきの大学生を相手に、面白くてスマートな講義を披露する。
こんな講義なら私も受けてみたい。
ノーブルで知的なユーモアがある素敵な先生・・・ここが鮮やかに描かれているからこそ、そのアブノーマルな私生活とのギャップが萌えるというもの。

そんな先生に一目で恋に落ちた栄田惣(さかえだ・そう)、二十歳。
身長184センチの陸上部で鍛えた立派な体格を持ちながら、気が小さい、内向的、臆病、いろいろ気にしすぎ・・・子供の時から泣き虫で、友達が転んでも自分が泣くという優しい性格。
「空気を読み過ぎる」性格のせいで、この年まで彼女ナシ。

そんないまどき希少なビュアな青年が、20歳も年上の同性に恋に落ちて、どうしたら近づけるのかわからない。
純情な青年の恋心は、アプローチしなくてもバレバレなのだが。

宮のほうは、男女問わずストーカーを招きやすい自分の体質をよく知っているので、あしらい方もよくわかっているはず、だったのだが・・・。

(以下微妙にネタバレあり)
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| 榎田尤利 | 16:41 | comments(0) | - |
交渉人は愛される 榎田尤利
 SHYノベルズ2011
ヤクザ(33)×交渉人(34)

やっぱ、人間なにごとも最後まで諦めたらダメなのよ。
諦めたときが終わり・・・ということを私に教えてくれたこの夏のなでしこJAPAN・・・と、交渉人・芽吹章。

「ラブ&トラスト」シリーズが終わったときはがっかりしたけど、その後に始まったこの交渉人シリーズは、シリーズとしての面白さ、完成度は大きく進化したと思う。

記念すべきシリーズ1作目「交渉人は黙らない」のプロローグは、一人の老人(実は周防組組長)が、甘味屋で抹茶白玉スペシャルパフェを食べながら、交渉人・芽吹の仕事ぶりを偶然耳にするというシーンだった。
そしてその偶然がラストのオチに繋がるのだが・・・何回読み返しても、この主人公の登場のさせかたは上手い!と思う。

このシリーズ、毎回、芽吹の依頼された仕事が兵頭の利害と対立して、二人の間に緊張が生まれるというのがお約束だが・・・最大の危機は前作で乗り越えたので、さすがにもう使わないかなと思っていた。

ところが、予想に反して今回はこれまで以上にストレートな利害の対立になる。

1作目の悪役である万里雄は、一つもいいところのない完全なヒールで、シリーズ7作目までしぶとく生き残り、それどころか死期の迫った万里雄の父にその救出を依頼されてしまう。

自分でも悶々としてるけど、キヨにもドM認定されちゃったけど、なんでそんな仕事を引き受けてしまうのか。
そもそも正義でもなんでもない、ヤクザ同士の揉めごとに介入するなんて・・・ヤクザの頼みというより、同級生の父親の頼みを断れなかった芽吹章、寅さんマニアだけあって人情の人だから?

いや、やっぱりドMなんでしょう。
困難なほうへ困難なほうへ自分を追い込んでしまう。

そしてそんな芽吹を、そういう男なんだよねと、芽吹ネゴオフィスのメンバーも、兵頭も、そして読者ももうすっかり理解している。

話は早い話、薬物をめぐる万里雄と周防組のメンツの問題で、つまりシリーズの出発点に繋がっている。
でも芽吹と兵頭の関係は、あれから6冊+スピンオフ1冊+小冊子1冊分の歴史を経て確かなものに変わった。
16年ぶりの再会シーンはあんなだったのにねえ・・・いまやお互いを知りつくし、「愛と信頼」で結ばれたパートナーである。

そして最後に、そんな二人のことをよく理解している老人と芽吹とあんみつで、一つの地点に到達する。
言ってはなんだけど、エダさんでこんなにうまくまとまったシリーズはかつてない(笑)。

プロローグとエピローグだけが芽吹の一人称ではないのがこのシリーズの様式だが、最後の最後に思いがけない甘〜いエピローグ、ヒューヒュー!と冷やかしつつ、ブラボーと拍手喝采の着地である。

話はここでひと段落ということで、この話の続きは書かれないかもしれないが、芽吹章という人間は、まるで実在の人物のように私の中に生きていて、今日も一人ボケ突っ込をしながら、もうからない仕事に走り回り、兵頭の舎弟たちと漫才を繰り広げている。

今日もまた、危険な目に遭ってるかもしれないけど、心配はしていない。
兵頭(と七五三野)がついてるからね。



| 榎田尤利 | 22:32 | comments(0) | - |
理髪師の、些か変わったお気に入り 榎田尤利
 徳間書店キャラ文庫2008年

理容師(25)×美容師(25)

いまだに収束のめども立たない福島原発は・・・つまり日本はこの先どうなっちゃうんでしょうか?
日本が無事だった時代に読んだものが恋しい・・・というわけで大好きな藤井沢商店街シリーズを5冊一気に再読。

2004年の「ゆっくり走ろう」から始まって、完結が2008年の「理髪師の、些か変わったお気に入り」
・・・もうそんなに昔なのね。

そしてあらためてこの完結編だけブログに取り上げていないことに気がついた。

その理由は、最初に読んだとき「え?こういう終わり方?!」って、ちょっと消化不良だったから。
でも時間をおいて読み直してみると、最後をこういう形にしたのは意味がなんとなくわかってきた。

シリーズはそれぞれ商店街で商売し生活している人たちが主人公なのだが、全員が地元っ子ではない。

ゆっくり走ろう(2004年) 自動車ディーラー×自動車メーカー社員
 立浪は長く藤井沢営業所にいて地元になじんでいるが、地元民ではない。
 里見は数ヶ月の短期赴任。

歯科医の憂鬱(2005年) 板金工×歯科医
 穂高は地元の元ヤン、三和は歯科医院に雇われていて都心に実家がある。
 穂高は地元で知られた存在のため、完結編でも大活躍。

ギャルソンの躾け方(2006年) カフェオーナー×喫茶店主 
 篠宮は都心から来た御曹司、水樹は地元喫茶店の子。
 高校卒業後、家をを出て都心のカフェで働き、親の病気で地元に戻る。

アパルトマンの王子(2007年) 王子×不動産業 
 世羅はアメリカ育ち、優一は家業が地元で続く不動産業。

ネ髪師の、些か変わったお気に入り(2005年) 理髪師×美容師 
 どちらも地元の床屋とパーマ屋の子で、高校卒業後、それぞれ進学、就職で地元を離れ、地元に戻ってくる。

以下ネタバレ注意
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| 榎田尤利 | 17:35 | comments(0) | - |
愛とは言えない2 榎田尤利
 リブレBBN 2011年

会社経営(37)×大学準教授(36)

2か月連続刊行の2巻目。
1巻で一波乱のあとも求愛する橘高、つれないサガン。
橘高とサガンの関係は、一見すると相変わらずである。

だが、万物は流転する・・・変わらないことなどはない。

2巻では思いがけず橘高が肉親の死という一つの節目を迎える。

サガンには関係ないことなのだが、橘高の不幸はサガンの頑なな心に目に見えない大きな変化を起こす。
・・・あと一押しだね、橘高。

とはいえ、この巻で二人の間に進展はなくエッチすらない・・・その代わりもう1編、橘高とサガンの出会い編はななかなか濃い。

バブル末期の大学、チャラい遊び人の橘高と真面目な苦学生のサガンがどうして付き合うことになったのか。

やっぱりサガンはただ押し倒されるようなタマではなかった。
っていうか、最初から手玉に取られてたんじゃん橘高って。

この悪魔のような19歳のサガンが素晴らしい。
そしてこれからサガンがどのように橘高に落ちるのか、3巻が待ち遠しい。

| 榎田尤利 | 22:59 | comments(0) | - |
スウィーパーはときどき笑う 榎田尤利
 SHYノベルス2010年
アルバイト(23)×高校生(17)

今年も「あーっ!」という間に過ぎてしまいました。
相変わらず何の進歩も成長もない自分が残念であります。
が、最後に来て楽しみにしていたエダさんの新刊が最高に面白くて、本年も私のBLライフは充実していました。

「交渉人シリーズ」のスピンオフとして、芽吹ネゴオフォスのアルバイト、紀宵(キヨ)と、ヤクザを親に持つ高校生、智紀(トモ)の話。

交渉人シリーズは、主人公の芽吹が酸いも甘いもかみ分けた大人の男だから面白い。

「ン」とか「うう」とかしか言わない寡黙な美青年、紀宵のバックグラウンドは気になるけれど、相手が高校生だからなーとあまり大きな期待はしていなかったのだが、いい意味で裏切られた。
トモより子供(イチロー6歳)を登場させたところがうまい。

トモはシリーズ1作目に芽吹の交渉相手として登場して以来、シリーズの脇役に納まっているが、頭がいいので、芽吹の頭の良さがわかり、芽吹からよい影響を受けている。

トモが主役の今回は、そんなトモが事件に巻き込まれて「どんなに賢くても人は一人では生きていけない」ことを学んで成長するという、素晴らしく真っ当でいい話だった。

芽吹ファンの私としては、若いキヨとトモの拙い恋愛関係の進捗はどうでもよい・・・とまでは言わないけど、まあ頑張れよっ!ってかんじなのだが・・・まさか兵頭×芽吹がこんなにがっつり話にからむとは思わなかった。

交渉人シリーズは、基本的に芽吹の一人称(一人ボケ突っ込み)だが、、スピンオフの今回はトモやキヨから見た芽吹章という人物が客観的に描かれる。
そこがとても新鮮で思いがけない収穫だった。

時系列的には前作の後なので、兵頭と芽吹はラブラブ(死語)、意表をついた登場では2人の濡れ場が本編以上に色っぽかったりして・・・。

やっぱり若人から見たら、芽吹は寅さん好きで説教好きのおせっかいなオッサン(サガンより若いのに・・・)なんだけど、トモのような生意気なガキから見ても尊敬できる、手本となる大人なのだ。そこがカッコいい。

やっぱり大好きだ〜このシリーズ・・・というわけで、この年末年始は交渉人シリーズを一から再読することにしました。

今年はすっかり更新をサボっていましたが、お付き合いくださった皆さん、ありがとうごさいました。
よいお年をお迎えください。



| 榎田尤利 | 00:05 | comments(2) | - |
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