CALENDAR
S M T W T F S
1234567
891011121314
15161718192021
22232425262728
293031    
<< October 2017 >>
SPONSORED LINKS
ARCHIVES
CATEGORIES
RECOMMEND
RECOMMEND
RECOMMEND
RECOMMEND
RECOMMEND
RECOMMEND
amazonで検索
現在時刻
amazon.co.jp
MOBILE
qrcode
スポンサーサイト

一定期間更新がないため広告を表示しています

| - | | - | - |
杉原理生フェア開催中(機
4冊ほど読んで杉原理生を軽く制覇したつもりになっていた私に、Hさんが「杉原コンプリートセット」を貸与してくれました。
デビュー作から同人誌、雑誌の抜きまで何でも出てくるBL界の大宅壮一文庫・・・完璧だわ。
BL文学の奥は深い。
大学のゼミもこのくらい熱心だったらよかったのにと遅すぎる後悔をしつつ課題にとりくむ夏なのであった・・・。

「夏服」小説b−boy 2003年8月号
社会人(23)×大学生(21)

高校の先輩と同棲している就活中の大学生。ささいなことで喧嘩して「今日は帰りたくない・・・」と思いながら電車の中で目にした夏服の高校生に、自分たちの恋の始まりを回想する・・・非常にまとまりのいい短編。
「テレビの夜」(いとしさを追いかける)もそうですが、杉原さんは短編が上手い。
これも雑誌掲載から5年放置ですか・・・もったいない。挿絵は山田ユギなのに〜。

「シンプルライン」小説b-boy
社会人(25)×社会人(28)

親の再婚と離婚で一度義理の兄弟になり、また他人に戻って10年後、偶然再会する。
これはお兄ちゃんが悪い。明日でさよならという夜、15歳の義理の弟の寝床を襲って最後の思い出?にやってしまう。
それから10年、精悍な若者に育った元義弟は
「俺は女はまったく駄目なんだ。俺をこんなふうにしたのは圭ちゃんなんだから、責任とってほしいな」と迫る。弟がんばれ!
兄は「もしかして血が繋がっているかもしれない」という疑惑を抱いて逃げ回っているのだが・・・あきらめない元義弟の粘り勝ち。同人誌に攻め視点のショートあり。

「粉雪」同人誌 2006年
社会人(27)×社会人(30)

義理の兄弟といってもこれは「妹の夫」という関係。
たった一人の妹は義弟の運転する車で事故に遭い、義弟だけが生き残った。2人とも妹を深く愛していたために苦しむ。
「妹の死はきみのせいじゃない、元気を出せなどといった慰めの言葉は一言も口に出さなかった。そんんなことは本心から欠片も思っていなかった」
「だからといっておまえが死ねといいたかったわけではない」

そんなギリギリの状態でまるで遭難した人が身体を温め合うように愛し合う二人・・・。
杉原さんらしい繊細な心理描写が冴えている。

「シンプルライン」もそうなんですが、受けが「本物」ってところがポイント。
しかも杉原さんの受けには多分に「誘い受け」的なところがあり、特殊なプレイはないのだが憔悴した義弟に自ら乗っかっていくところなど心理的なエロ度高し。
この「心理的なエロ」にハマっている私・・・。

「サンダイヤル〜日時計」 クリスタル文庫2004年
高校生(17)×高校生(17)

話はリストカットして不登校状態の祐一が、夏休みに「秋庭さん」の別荘に預けられ、同い年の晶に出会って新しい恋をする・・・という単純なものだが背景は複雑で混沌としている。
両親の再婚で義理の兄弟になるという話は多いが、これは事情が異なる。
もともと2つの家庭の父親同士が親友で家族ぐるみの付き合いがあった。それが祐一の父親が早くに亡くなり、父の親友である秋庭が「父親代わり」に母子の面倒をみるうちに離婚、母との再婚話が持ち上がっているという状態で、祐一は義理の兄になる予定の秋庭の息子宏昭から陰湿ないじめを受けている。

祐一は身分で思っている以上に実は壊れている・・・大人の前では嘘をついてでもいい子でいたい・・・そんな少年のプライドが痛々しい。
よくこれが文庫になりましたね・・・けっこうヘビーな1冊です。
| 杉原理生 | 21:23 | comments(0) | - |
スローリズム 杉原理生
会社員(29)×会社員(29)
 幻冬舎ルチル文庫 2008年

「自分のことは自分が一番わからない」・・・という面白さを一人称で描くのが上手い杉原理生の「らしさ」がよく出ている作品だと思う。

水森には、高校時代の同級生の矢萩から週に2回、月曜と木曜の夜、必ず電話がかかってくる。別に用事ではなく月曜日は「週末何してた?」で木曜日は「今週ももうすぐ終わりだね」というとりとめのない電話・・・高校卒業して12年たってる社会人の男同士が、それはおかしいだろう?と普通は思う。

周囲の人間のほうがわかってたりする。矢萩が水森のことを本気で好きだということを。矢萩と共通の友達である木田には「早く彼女を作って落ち着かないとあいつが可愛そうだ」とか言われ、水森に下心のある後輩の堀田は常に矢萩とのことをバリバリに意識して牽制している。

本人だけが「いやおれたちは違うから。そんなんじゃないから」と言い張っている・・・のだが、うすうす「何かがおかしい」とは思っている。

高校時代、矢萩は水森に自分がゲイであることをカミングアウト、そのとき「安心しろよ、お前だけは絶対好きにならないから」と言われたことにずっと呪縛されて、それが矢萩の「お前だけが特別に好きなんだ」という意味だと気付くのに12年かかった、というスローな恋のお話なんだけど・・・この2人のいつも重大なことを迂回している「暗号のような会話」のむずがゆさがたまらなくいい。

いつもふざけたことばかり言っているようで実はちゃんと本音を言っている矢萩・・・かつてこういう会話が私の頭上で交わされていたような記憶が蘇る(笑)・・・男が「僕○○のこと愛してるんだよね」とか人前で冗談のように言うときって、間違いなく何割か本音が入ってると思う。男ってゲイとヘテロの間のグレーゾーンが広いんだよ・・・。

『37℃』を含めて4冊(あとは絶版)しかないので、あっという間にコンプしてしまった。
『いとしさを追いかける』のあとがきで、作者は自分は何年に一度しか小説を書かないんだみたいなことを書いてますが、今年はもうすでに2冊も出ているではないか。
この調子で新作を書いてくれることに期待。
| 杉原理生 | 23:45 | comments(0) | - |
世界が終わるまできみと 杉原理生
大学生(19)×大学生(19)
 幻冬舎ルチル文庫2007年

これは2人が中学生の14歳のときから5年後の再会後に至る長い話で、第一部・第二部に別れている大河ドラマ?である。

中2の「ぼく」こと有理は、5歳の弟・学、美貌の父親と3人で暮らしていた。母親は病気で長く入院している。弟も病弱のため、経済的に行き詰った父親は、友人である「高宮さん」を頼る。
高宮はお城のような豪邸に息子と2人暮らしで、有理たち親子3人に住む部屋を、父親には仕事を与える。

・・・変な話だ。
友人が困っているからといって、親子3人居候させるか?・・・もちろんそれは父と高宮が「変な関係」だからなのだが。

有理と同い年の怜人(れいと)はまるで王子様のような美少年で、弟の学を可愛がり、有理と玲人は恋に落ちる。
「受験が終わったらキス以上のことをしたい」と約束した直後、おとぎ話のような生活は「大人の問題」で残酷な終わりを迎える。

それから4年、子供には過酷すぎる運命を乗り越えて、たくましく生きる有理は玲人と思いがけない再会をする。

これも、最後はハッピーエンドになるだろうと思っても、どこにどう転がっていくのかが読めなくてかなり長いんですが途中でやめられませんでした。

美貌の父親たちと王子様のような息子たち・・・シリアスな展開にもかかわらす、どこかおとぎ話チック・・・父親たちの話はけっこうヘビーそうなんだけど、詳しく書かれていないからかも。

中学生だった2人が「受験が終わるまでは」とキス以上に進まないところにも好感が持てた。
| 杉原理生 | 22:52 | comments(0) | - |
いとしさを追いかける 杉原理生
大学生(19)×大学生(18)
 幻冬舎ルチル文庫 2007年

『37℃』にインパクトがあったので、手に入る既刊3冊を一気に読んでみた。
3冊とも『37℃』と同じく一人称。
一人称は下手な人がやると安直だが、この人は一人称の効果をよく心得てると思う。

人は他者の考えていることはわからないものだが、自分のことはもっとわからないのだ。なぜこんな態度をとってしまうのか、なぜこんなことを言ってしまったのか・・・ときとして相手の気持ち以上に自分の気持ちがわからない。
そんな混乱が繊細なタッチで描かれる。

大学進学のため上京した杜国(もりくに)は、引っ越したその日に高校の先輩・掛井に電話をかける。テレビの配線がわからない、という口実で。
杜国は高校時代、掛井の父親の愛人の息子(異母兄弟ではない)であるという関係を隠して掛井に近づき、結果的に「男の純情をもてあそんだ性悪」という立場になり、「お前の顔は見たくない」と言われて別れている。
それが1年前のことで、そこに至る経過を追想しながら、東京で再会した2人の奇妙な関係を描く。

やっぱりこの人の文章にはなんとも不思議な魅力がある。
話に派手な展開はない・・・拉致したり一服盛ったり、危機一髪があったりするわけではないんだけど、「この話はいったいどこに行くんだ?」という緊張がずっと続いていて、途中でやめられない。

『スローリズム』の中に、「まるで導火線に火がついた爆弾を大切に抱えているような緊張感」という表現があるが、まさにそんなかんじ。
| 杉原理生 | 22:10 | comments(0) | - |
37℃ 杉原理生
演出家(34)×銀行員(32)
SHYノベルス 2008年

久しぶりに斬新な文体の作家を読んだ。
といってもかなり読者を選ぶタイプの作家だと思う。典型的なBLによくあるテンポのある文体でもなければ、耽美的な文体でもない、淡々とした表現の中に緊張感がある。

妻と別居中の「私」のところに、ある日突然学生時代に特別な関係にあった男「若杉」から10年ぶりに電話がかかってくる・・・設定自体はよくある「再会もの」である。
『37℃ 機戮任10年ぶりに再会した男が「泊めてくれないか」と言ってきてしばらく居候をするが何も起こらない。その「何も起こらない」という緊張を淡々と描く。
続きを読む >>
| 杉原理生 | 18:42 | comments(0) | - |
| 1/1PAGES |