白泉社花丸文庫2009年
サラリーマン(26)×学生(20)
ついに出た、小林典雅の新刊。
表題作については私、当ブログで一度書いてましたね。
2007年4月9日 シャレード5月号
私は、これが「棒投げ橋」の次に読んだ小林典雅で、このときこの人はキワモノ作家じゃないと確信したのですが、アラスカさんの「
小林典雅さんの単行本未収録作品」によると、少なくともシャレードがあった時代にはコンスタントに雑誌に書いていたんですね。
それなのになかなか単行本が出ないのは、
特異な作風によるためと思われます。
雑誌発表作+その後のカップルの書き下ろし(または脇役カップルでスピンオフ)
これで1冊というのがBL単行本のルールのようです。
そうじゃなければシリーズものとして、同じカップルで何冊か続く。
昔の本を見るとそうとも限らないんだけど、最近はほぼこの様式に限定されるようになっている気がする。
小林典雅の持ち味は、畳みかけるギャグと小気味いいオチにあるのだから、無理やりそのフォーマットにしなくてもいいじゃん。
「嘘と誤解は恋のせい」と「カンジてる場合じゃないっ!」を同時収録して短編集でもいいじゃん、と常々言ってきましたが、このたびアンケートで結ばれた(と思った)和久井と結哉のその後の話「ラヴァーズ・ブートキャンプ」を書き下ろして「
普通のBL仕様」になった新刊を読み、
やればできるじゃんと思った。
作者は「鬱陶しい必死受け」と「うかつ攻め」の話、と簡潔にまとめてましたが、書き下ろしは、両思いになってるのに、和久井の求めに応えるより写真を集めたり記念の品物を残すほうに熱中してしまう結哉の「
片思い貧乏性」がネタで、意外とページ数のある洞窟での羞恥プレイもエロいのかおかしいのかよくわからないが・・・面白いからいいじゃんと。
あとがきにちょっと気になることが・・・
好意的に読んでくださる方々の間でさえ「小林典雅に普通のBL的な萌えやエロを期待しちゃダメ」とのご意見が多数と聞き及び
え?私?私はそんなこと言ってない・・・と思いますけど?