設計士(27)×大学生(21)
ジュネノベルズ2002年
地元の書店で新刊を物色していたら、「ジュネノベルズ創刊」という帯を巻いたこの本が棚ざしになっていた。奥付を見れば2002年の初版。古本屋でも見たことないような7年も前の初版がなぜここに? ・・・これは買って帰れということですね。
同棲していた幼なじみの征雄に突然別れを告げられて、やけ酒飲んで潰れていた孝志を拾って帰ったのは3年前に自分が振った年上の男、時宗だった。
顔は可愛いけど異常なまでに意地っ張りで負けず嫌いの孝志は、その性格で損してる。
そもそも3年前に好きだった時宗を振って、アテ馬の征雄と付き合うことになったのも、この意地っ張りのなぜるワザ・・・征雄に振られたからといっていまさら時宗に乗り換えるなんて、意地でもできない。
意地っ張りとは不自由なものである。
amazonで検索するとこれが一番古い本なのだけど、デビュー作でしょうか?
田舎に戻ったはずの時宗がなぜ東京にいるのか、なぜ自分を連れて帰ったのか(記憶がない)問いただそうと思っても次々にいろんなことが起きて確認できない・・・というテンポのいい展開はやっぱり「許可証」の作者だなと思う。
時宗はカナリアを飼っていて、孝志も鳥の世話をするときだけは素直になるので、カナリアが2人を再び結びつける「金の鳥」なのである。
意地っ張りで怒っている孝志が好きという6歳年上の男と付き合うには、3年前の孝志は子供過ぎたのね、という話。
烏城さんて、関西の人ですねたぶん。
東京の大学生は「3回生」とは言わない・・・っていうか、関西の大学生は絶対に「3年生」とは言わないよね。なんでなんだろう。