作業療法士(23)×医療機器営業(26)
SHYノベルス 2004年
弟の親友伏見が、弟に告白して拒絶されているところに居合わせてしまった航(わたる)。
それから6年。航は営業先の病院で伏見と再会、伏見はなぜか自分をふった親友の兄である航を無理矢理押し倒し・・・。
なぜそんなことを?という理由はだいたい想像がつくし、ネタが割れてみると実にバカバカしい勘違いをお互いにしていただけなんだけど、この話はけっこう面白かった。
航は中学のときの事故の後遺症で足が悪く、体も弱い。「病弱なヒロイン」というツボを抑えているうえ、いつも兄を気遣うブラコンの弟。そして一見理不尽な年下の男との関係は、実は伏見が航の優しさに甘えている。
弱いようで実は強い航・・・理由は違うんだけど崎谷はるひの『ANSWER』の2人の関係を連想させる。
初めて読む作家ですが、丁寧な描き方(丁寧すぎるところもあるが)に好感触。