ヤクザ(32)×ジゴロ(19)
ルチル文庫 2006年
初めて読む神奈木智は、定番の極道×野良猫もの。
顔だけがとりえの菜央(なお)は、自分に気のある男(または女)に取り入ってしばし生活の面倒を見させ、次々に乗り換えて生きているみなし児。
売春するほど肝が据わってない。金持ちから財産を巻き上げるほどのワルでもない、中途半端な三流ジゴロ。
「金づる」との別れ話がこじれて刺され、死にそうになっているところをヤクザの室生に拾われる。
確かにメインはヤクザと野良猫なんだけど、最初からシリーズ化されることが決まっている1冊目、脇役に曲者キャラがてんこ盛り。
組長の双子の息子、響(ひびき)は跡目候補で野獣キャラ、彗(すい)は病弱なお姫様。美形のモグリ医者に熱血刑事・・・。
盛りが良すぎて、肝心の室生の極道ぶりがやや埋没した間もあるけれど、こういう攻キャラ=命を張って組長と息子たちの命を守るストイックで男前な若頭・・・ってBLの極道のデフォルトじゃない?
書いてないけどたぶんこういう人なんだろうと、ほかの極道キャラのあれこれを勝手に継ぎ足して読んでいる自分。
室生が極道のわりにちょっと「語りすぎ」なところが気になるが、とりあえずこの次の話は読みたいと思う。