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茅島氏の優雅な生活(1)〜(3) 遠野春日



幻冬舎ルチル文庫

庭師(32)×御曹司(27)

文庫版3か月連続刊行ついに完結。
(1巻についてはこちら)

金の苦労のない人生とはどういうものだろうか?
たいがいの人は生きていくのに必要な金の調達に苦労しているし、また必要以上に金がありすぎる人も(よく知らないけど)苦労があるはずだ。

茅島氏は大富豪で、資産運用は誰かがやってくれていて、社交以外に働く必要がない。両親は他界し、兄弟もいないので家族のしがらみもない。
広大な屋敷と使用人は優秀な執事が管理運営している。
そんな人間がいるだろうか?って話じゃなくて、そういう人物を設定したかった、といのがこの話の出発点なのではないかと思う。

もっと言えばそんな人物でなければできないピュアな恋愛を書きたかった・・・のではないだろうか。

大富豪の青年とそのお抱え庭師の恋であるが・・・そこには「禁断の恋」とか「身分違いの恋」といった俗っぽい障害はない。
深窓の御曹司と無愛想な庭師の恋を、誰も非難しないどころかみんな応援している。

「庭師」というのもなんとも古風な言い方で、今風に言えば「造園家」とか「ガーデンプランナー」なのかもしれないが、あくまで「茅島家の庭師」で、名前は与えられていない。その理由はわからないのだけど、もし名前があっても読者はたぶん忘れてしまうだろう。
「ほらあの茅島氏の庭師・・・名前なんだっけ?」
となるに決まってる。それなら名前はいらないってことだ(!)

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| 遠野春日 | 23:00 | comments(2) | - |
茅島氏の優雅な生活(1) 遠野春日
 幻冬舎ルチル文庫 2009年

庭師(31)×御曹司(26)

この作品、実は一度リタイアしている。
BLビギナーだった私は、なぜかこの茅島ワールドに入れなかったのだが、遠野さんの中ではこれがいちばん好きと評価する人も多く、文庫版になったのを機にリベンジしてみた。

面白い・・・どうしてこの面白さを理解できなかったのだろう。
金持ちの話より貧乏話のほうが好き・・・というのもあるが、リーフノベルズという「入れ物」がマッチしてなかったのかも。

茅島氏は大学時代に両親を事故で亡くし、その莫大な資産を1人で相続した孤独な大金持ち。馬場まで備えたイギリス式庭園を擁する広大な屋敷に使用人を抱えて1人暮らし、無職である。
・・・そういう優雅な金持ちは日本には存在しない。相続税が・・・などと思ってはダメ。
これは現代の日本を舞台にしているようで、そうではない。ディズニーランドのようにお約束の「別の世界」の話なのだ。
こんどはすんなりアナザーワールドのゲートをくぐることができた。

一つ一つのお話は短い。茅島氏の優雅な一日を三人称で描くもの。茅島邸のお抱え庭師の一人称で描くもの。短いエピソードが時間軸をずらしながら重なり合って、変人と思われている茅島氏の一途な恋が描かれる。

恋の相手である庭師にはなぜか名前が与えられていない。
飼い犬にだってラフマニノフという立派な名前がついているのに。

1巻目は、茅島氏の庭師の口説き方編。
御曹司は誰にも真似のできない大胆な行動を取られて、雇い主に愛されているなどと夢にも思っていない庭師(東大法学部卒!)を一発で落とす。
まさに「必殺」というかんじ・・・。

「アンチリアリズム」という遠野さんの真価が存分に発揮されていて、10年前の作品であることも何の問題もない。

これから2巻、3巻と続きが出る予定。
それを全部読んだとき、庭師に名前がない理由がわかるのだろうか・・・楽しみ。

『茅島氏の優雅な生活1』麻々原絵里依/遠野春日 芳文社2009年


同時に出たコミック版も、原作に忠実かつ原作の魅力を生かしている。
茅島氏の美しさと可愛さをビジュアル化しているのがよい。
| 遠野春日 | 17:45 | comments(0) | - |
さやかな絆〜花信風 遠野春日
実業家(33)×秘書(28)
 B−プリンス文庫2009年

「情熱シリーズ」がレーベルを変えて第2部スタート!?
番外編を集めた「夜天の情事」で打ち止めだと思っていたので、思ってもみませんでしたよ。人気あるんだなあこのシリーズ。

という私も遠野さんで唯一追っかけてるシリーズなんですが・・・どこが好きなの?とあらためてきかれれば、現代設定なのに人物の言動が時代劇であるところがおかしいいや面白い・・・時代劇設定なのに人物の言動が現代人的というのとまるで反対なのだ。
なにしろこの人たち、家の中で和装してたりするし。

今回はレーベル移動第一弾ということで、これまでの登場人物、あらすじの復習的な話で、無人島に拉致とか記憶喪失のような派手な展開はなく、佳人(よしと)の両親の自殺の真相を明らかにする・・・というのが筋立てである。
よく考えてみると、ヤクザに囲われていたときは別として、自由になってから1人息子が親の遺骨の行方を捜そうとしないというのは変だよね。
でもこの話は最初から変なところ満載なので、気にならなかったのだ。

今回の「変」は太巻き
一件落着した帰り道、今日はワインで乾杯気分と2人でお買い物、シャトー・マルゴーとキャビアとローストビーフを買う・・・そこまではいい。
「食事はどうしますか?」
「太巻きでも作るか」

はあ?

食習慣はそれぞれ、赤ワインなら締めはやぱり太巻きだよね、というお宅があってもいいと思うけど・・・
「それならでんぶとかんぴょうがいる」とかいって帰宅してからささっと太巻きを作ってしまう佳人って・・・。

美人でしっかり者で貞淑でしかも床上手・・・ダンナがいきなり「太巻きでも」と言い出しても「えー今から作るのー?」なんて顔にも出さずに、さっと作ってくれる・・・しかもダンナの好きな和服に着替えて晩酌の相手・・・もしこんな人間がいたら、たとえ性別が男でも絶対に嫁にもらうべきであります。
| 遠野春日 | 23:03 | comments(0) | - |
夜天の情事〜情熱シリーズ番外編集 遠野春日
実業家(32)×元ヤクザの愛人(27)
 ゲンキノベルズ 2007年

久しぶりに以前に住んでいた街を歩いてみたら、街の書店が健在だったので何か買うものないかなーと思って眺めたら、小さな店のわりにBLの新刊が意外に揃っている。そこで買ったのがこれ。
こんなの出るなんて知らなかったよ・・・。

「ひそやかな情熱」シリーズの同人誌番外編を集めた1冊。(したがって本編を読まずにこれだけ読んでも全然ダメです)
こういうものが商品になるくらい人気があるってことですね。

過去記事を読み返すとなんだか私、褒めてないみたいですが、違うんですよ(笑)。ほんとのこと言って遠野さんで何度も読み返しているのはこのシリーズだけです。

ヤクザの囲われものだった男を1億出して身請けする・・・他の人が書いたら陰気で後味悪い話になるかもしれないし、あるいはもっと荒唐無稽なかんじになるかもしれないけど、遠野春日のなんていうかこう・・・BL作家にしては情念が薄いというかほどよく軽い文体が妙にはまった作品ではないかと思う。

でもこの番外編集を読んで、またシリーズ1作目から読み返しちゃったりなんかして思ったのは、佳人さんの何事にも真面目で一生懸命でひたむきなところっていいよねってこと。ヤクザの情人もそれなりに真面目に一生懸命勤めてたのね・・・。

何だかんだ言っても親分にも大事にされてたんじゃないの・・・大学院まで出してもらって10年・・・それも普通の生活レベルではない、豪邸でボディガード高級車送り迎えつき茶道も習わせてもらっての10年。・・・1億は安かったんじゃないの?

まとにかく。不器用で無愛想な遥を操縦しつつ佳人が幸せに暮らしてる・・・ってだけの番外編でもファンには十分楽しめる1冊。
表題作「夜天の情事」のみ書き下ろし・・・「夜天の情事」とはなんとカ○セ○クスのことでした・・・この人たちってば。


| 遠野春日 | 20:46 | comments(0) | - |
瞳は口ほどにものをいう 遠野春日
会社員(25)×課長(29)
 ゲンキノベルズ 2007年

久しぶりの遠野春日。
『唇はワザワイのもと』(2002年)のリンク作品&続編。『唇〜』は私が最初に遠野さんを面白いと思った作品なんですが・・・しかしこれほど遠野さんらしくない作品もない。
人材派遣会社の営業マンというのは「当社比」的には非常に庶民だし、遠野春日じゃなくてもいいんじゃないかっていう「普通の」リーマンものなんですが。

でもライバル会社の営業マン同士として、出会ったその日に「売り言葉に買い言葉」でベッドインしてしまい、お互い惹かれながらも意地を張り通して心にもない別れをして苦しむ・・・という話がテンポよく展開して、読み返してみてもやっぱり面白い。

それにしても忘れた頃にリンク作品&続編。人材派遣業をとりまく状況もかなり変わったと思うけど・・・その辺はさらっと流して、年下攻め×美人上司というカップルの話。

ソフト開発会社の俊宏は課長の貴章に「好きです。付き合ってください」と告白、あっさり「わかった」とOKされて面食らうものの、それから3か月。食事に付き合ったりはしたもののキスさえまだ・・・これって本当に付き合ってるの? と焦り始めたところに貴章の昔の男=正純(前作カップルの攻め)が登場・・・という、まあどこにどう落ち着くか最初から見える話である。

でもこの貴章という感情を表に出さない(けど、けっこう喜んだり気を回したりしてはいる)美人上司がけっこういいキャラクター。
これまでの恋愛はいつも考える間もなく強引に押し倒されていたので、年下から告白されてどうやって進めていったらいいのかわからない、というただそれだけのことだったというのがおかしい。
俊宏も無理矢理押し倒すというタイプではない、躾けのいいワンコだったのだ。
遠野春日の、らしくない地味なオフィスラブものというところ。

あとがきによると遠野春日先生、しばらくペースを落として「充電期間」に入るようです。樹生かなめ先生といい、勢いでガンガン書ける時期というのはやはり長くはないようです。
| 遠野春日 | 14:22 | comments(0) | - |
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