ショコラ文庫2012
警察官(30)×上司(32)
剛しいら2012年最初の新刊が「サスペンスドラマ」とはまたベタなタイトルだなあと思ったら、「
ホームドラマ」のスピンオフだった!
ホームドラマに出てきた
大飯喰らいの公安刑事、後藤の話ですよ!
話は「ホームドラマ」より2年前にさかのぼる。
ライフルの名手でSAT部隊で大暴れしている後藤は、公安の風間の目にとまり引き抜かれる。
日本で身長195センチって、でかいよ!
知人にいるんだけど、一緒に歩いてるとスカイツリーと歩いてるみたい。
電車に乗るとみんな見るし。
服も靴も日本では普通に買えなくて苦労してるとか。
(風間が彼に与えた変装用のカジュアルウエアはどこで調達したのかなと思ってしまった)
そんな大男の後藤は、警察一家の長男で、学生時代は柔道で日本代表クラスという
純体育会系、人の5倍は食べるけど太りはせず、過去のトラウマで
女性恐怖症。
この設定だけで、どんぶりでご飯持って来い!だな。
風間は、家柄よし頭よしルックス良しのパーフェクトな男だが、生粋のゲイ。
後藤に目をつけたのも好みの男だからとはいえ、最初は単に部下にするつもりだったのが、女性恐怖症と告白されて、俄然「
おとしてやる」モードに。
風間はいわゆる襲い受け、関係を結んでもあくまで上下関係があるので、辰巳と安藤の関係に似ていところもある。
でも坊ちゃん育ちの風間は辰巳ほどの強靭さはなく、後藤の気を引こうとして、料理を作ったり女装してみたりと、けっこう女々しいところがあったりする(なんだかんだ言ってこの人絶対、
女装趣味があると思う)。
そして武器を持たせた後藤があまりにも人間離れした
最終兵器なので、徐々に風間が後藤に依存していくような関係になっていく。
とにかく私、大食い男、ジャンボ後藤に萌え萌えです。
ガンガン肉食って、エネルギー満タンになった後藤に怖いものなし。しかもやさしい。
ただ、恋の駆け引きなどできるタイプではなく(そこも萌え)、とっくにお互い信頼し合い愛し合っているのに、仕事上の立場の変化もあってお互いの気持ちを見失いそうになる。
そこで時間軸がホームドラマと合流し、後藤の元同級生・八千草+真々田夫妻の息子が誘拐されるという事件が起きる。
「ホームドラマ」とは話が別なので、前作を読んでいなくても問題ありません。が、「ホームドラマ」は、父子のホームドラマにサスペンスが押し寄せてくる話、「サスペンスドラマ」は、サスペンスな生活を楽しんでいる公安警察官が、惚れた男にいそいそと手料理を用意したりするホームドラマが重なってくる面白さで、見事に対句になっている。さすが巨匠だ・・・。
「自分、そんないい加減な男ではないです」
↑こういうセリフに萌える人には、ぜひお勧めしたい剛しいらです。