大学生(20)×会社員(27)
新書館 ディアプラス文庫2009年
たまたま買った新刊は2冊続けて「20歳の若者×年上の人」だった。
でも7歳年上のこちらのお姉さんのほうがずっとビッチです。
初めて入った居酒屋で、バイトの兄ちゃんに「やらしたる」と囁いて誘うのは性悪すぎるでしょう・・・。
大学生の周平は、同居している義兄(父の再婚相手の息子)にかなわぬ片想い、ゲイの穂積(ほづみ)は腐れ縁の恋人に女と二股かけられていて常に欲求不満(この恋人とその女が最低です)。
穂積の声と関西訛りが周平の義兄に似ていて、周平のアレが穂積の恋人のアレに形とサイズが似ている・・・というわけでお互いに「好きな人」の身代わりセフレとして都合のよい関係を続けている。・・・正直そこまでの「詳細設定」は不要だったと思う。
お互いに好きな相手とやれなくて欲求不満、くらいで充分だったんじゃ?
いずれにせよこんな不自然な関係は続くもんじゃないでしょう・・・と思うのは大人の分別で、周平は1週間とガマンのきかないお年頃なのだ。
若い周平にしてみれば、お金もかからず妊娠のリスクもなく濃ゆいエッチをしてくれる年上の人にはハマっちゃうでしょうよ。
もともとバイだったのが女の機嫌をとるのが面倒になってきて、限りなくゲイになってしまう・・・落とし穴だったな周平、という話(違うかも?)。
こういう話は、お互いに想いが通じ合うと、受けがとってつけたように恥らったりするものだが、穂積は最後まで
羞恥心の欠片もなく淫乱だったのはあっぱれというか・・・どうしちゃったの?久我有加!?
私は雑誌をチェックしてないので知らなかったのですが、あとがきによると2007年「小説ディアプラス」がリニューアル、早い話が「エロ強化」されたとのこと。その方針に従って、頑張ってみたのが本作であるらしい。
新書館は昔から(偏ってはいるが)上品な本を出している出版社というイメージで、ディアプラスもその延長でソフト路線と思っていましたが・・・そういうテコ入れがなされていたということは、やっぱりどこも商売厳しいのね・・・。
久我さんはそれでも(ある程度)対応できる人だと思うけど、エロ強化できない人はどんどん淘汰されていくのでしょうか・・・。