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野ばら 雲田はるこ
最近は漫画の読み方がわからない子どもが増えているとかいう話もありますが・・・私の漫画リテラシーも相当低下してるようです。

昭和元禄落語心中」で初読みだとばかり思っていた雲田はるこ、雑誌で読んでたじゃん。

「ハートに火をつけて」onBLUE VOL3掲載


依田沙江美のインタビュー目的で買った雑誌onBLUE Vol.3、掲載作品の中でも、引退したゲイビデオ俳優で今はゲイビ制作会社の社長をやってる苦味(くみ)さんの話は、かなりインパクトあった。
それなのに何回読んでも、あれと同じ作者だと気付かないってどうゆうこと?!

「落語心中」を読んだときは、この人がBL作品を描くとしたらホンワカしたものなんじゃないかと想像してたので、ゲイビ業界が舞台のエロ度もけっこう高いこの話と全然結びつかなかった。

でもそれは、既刊のBL作品を読んでみたらある程度当たっていて、この苦味さんシリーズがこの人にしては過激なほうなのね。

「野ばら」東京漫画社2010年


奥さんに逃げられたコブ付きの年増に、若者がよろめく話。
あれ?なんか身も蓋もない説明ですが、この四十に近い神田さんが天然(ややドン臭い)でキュート。そしてその細い腰から目が離せない武ちゃん(料理人)の男らしく実直な攻め様ぶりが好ましい。
この2人のバランスは、佐々木×如月先生(剛しいら記憶シリーズ)と同類で、私のどストライクなのである。

武ちゃんの将来を思って、一世一代の「縁切り場」を演じる神田さんだが・・・結局「うえーん」って泣いちゃう神田さんがカワユすぎてたまらんです。
なぜタイトルが「野ばら」なのかは最後の1コマでわかる・・・うまい。

もう一つ、本名「みたみつお」、ニューハーフのミミくんの初恋物語、「ミミくんのBOYの季節」も、かなりの問題作。

「いとしの猫っ毛」 リブレ出版2011年


こちらはいわゆる「○○荘もの」と言うのか、一つ屋根の下に変な人が集まって暮している群像ドラマ。
6年も遠距離でしかも清らかな交際を続けていたみいくんと恵ちゃんの、同棲物語の始まりでもある。
これまた猫っ毛でオクテの恵ちゃんがカワイイのだ。もうすぐ2巻が出る。

漫画はどんなに上手いと言われても、その絵柄や雰囲気が好みかどうかが重要で、小説以上に好き嫌いが大きいと思う。

山田ユギや依田沙江美や今市子、つまり少女漫画オリエンテッドな作家が好みの私には、久しぶりのアタリです。

苦味さんシリーズがどこに向かってるのが気にかかる・・・onBLUEを買い続けないとだめか・・・。
| コミックス | 10:37 | comments(0) | - |
昭和元禄落語心中(1)(2) 雲田はるこ
 講談社2011年

 講談社2012年

平成もすでに24年なのである。
今年成人式を迎えたくらいの若者には、「昭和時代」って私の「明治時代」くらいの感覚なんだろうなあ。
でも平成生まれの君たちも、次世代に「平成生まれだからなー」と言われる日は必ず来るのだよ。

去年から書店でちょっと気になっていた1巻、表紙の噺家のたたずまいが今は亡き初助師匠を思わせる・・・でも青年コミックだし・・・と思いつつ作者の素性を調べると、BLコミックも描いてる人らしい。
安心して?1巻を買って読んだら面白くてすぐに2巻を買いに走った。

BLではないのだけど、この設定、この背景には、あきらかに剛しいらの座布団シリーズの影響がうかがえる(と私は思う)。
パクってるということではなくて、先行の名作への愛とリスペクトがあるという意味で。

弟子をとらないことで知られる稀代の名人に無理やり弟子入りする、刑務所帰りの元チンピラ与太郎。
親子ほどに年齢が上なのに妙に色っぽくて偏屈な八雲師匠は、女を演じれば絶品で、ヒマさえあれば都々逸や長唄や踊りの稽古をしている芸の虫。
落語と心中する」と言って独身を貫いているところや、与太郎をお供に連れて京都に出かける場面にも、初助師匠と要の姿がダブる。

あれ?この京都駅って昔の京都駅じゃん・・・そうそう、この話の「現在」は昭和なのだった。

八雲は、早世した兄弟子で、幻の名人と謳われた助六の娘・小夏を引き取って育てている。
よもやBL展開にななるまいと思うが、若き日の八雲と助六の間になにがあったのか・・・。
2巻の途中からいよいよ「八雲と助六編」が始まり、いいところで続くになっている。
(3巻の刊行は秋の予定だそうで)

つまり、八雲師匠の押しかけ内弟子となり一人前の落語家になるべく奮闘努力する与太郎の青春と、戦中・戦後に渡る、八雲と助六の青春・・・二つの昭和の青春芸道物語なのだ。

絵も上手くて、落語の芸を漫画で表現するテクニックもある。

なにより、芸に対してシビアで容赦のない八雲師匠の、太郎に対するドSな仕打ちがすばらしい。
初助師匠のほうがもう少し手加減があったような・・・いやそうでもないか。

八雲師匠も、平成の現在、ご健在なのかどうかが気になるが・・・続きが出るのが待ち遠しい。
| コミックス | 10:58 | comments(0) | - |
きのう何食べた?5 よしながふみ
 講談社2011年

先日、やっと「風と木の詩」13冊を処分した。
今読んだらどうだろうかという気持ちに、二度と読みたくないという気持ちが勝ったのである。

ちなみに初版で13巻揃ってるので、まんだらけにでも売ろうとか思っていたのだが、13巻で完結ではなかったということを今さら知って、がっくり。状態も悪かったので廃品回収に出しました。
13巻でリタイアしてたんだな私。

悪いけど、そもそも竹宮恵子はあまり好きな漫画家ではないのだ。
それなのになぜ「風と木の詩」だけは読んでいたかというと、ほかになかったからである。
あの時代に、誰も描かなかったことを描いたことは立派だと思うけど、当時から「私が読みたいのはこーゆーんじゃないんだけどなあ」という気持ちは確かにあった。

あらゆるテイストのホモ漫画がより取り見取りの今は本当に天国だ。
生きててよかった!と本気で思う。

よしながふみの「きのう何食べた?」は、主人公がゲイカップルなのに、恋愛や性愛を描いているわけではない。
青年誌連載の、とても実用的な料理漫画・・・これは「風と木の詩」から35年、日本の同性愛漫画の一つの到達点かもしれない。

5冊目の今回は、「ジルベールのような美少年」が登場。

よしなが先生は何を見てコレを描いたんだろう?
もはや似てるのか似てないのかわからない・・・ジルベールという記号。
美少年でなければ同性愛漫画が許されなかった時代があったんですよね、という皮肉がこめられてるように感じるのは私の思いすごしであるあろう。

普通に働いて、毎日一緒にご飯食べて暮している40代のゲイカップル。
悩みはもはや恋愛関係ではなく、老いた親のこととか健康のとことか。

同棲3年目にして初めて健二の両親のことを知る史朗。
そこが夫婦と同棲の違いだな。
でもついにマリッジリングを作って、一歩前進?

ドラマがないようであるこの二人の「私生活」をいつまでも見ていたい。
| コミックス | 16:29 | comments(0) | - |
よろめき番長 依田沙江美
 芳文社 2010年

人にはそれぞれに自分だけの考え方の筋道があって、同じ局面に対して同じ行動をとるわけではない。
それでも、日常的な瑣末なことに関してはだいたいの方向があって、それが世の中の「常識」と呼ばれている。

いつもこの常識からはずれた行動をしてしまうことが多く、それに対して自覚がある人は「変人」、自覚がない人は「天然」、自覚があるなしにかかわらず、社会常識から大きくはずれている人は「不思議ちゃん」、さらに社会生活に支障をきたすほど奇怪な行動をとる人は精神科の領域になる。

私もこれまでの人生で「不思議ちゃん」を何人か見てきましたが、なにが不思議って、不思議ちゃんって必ず彼氏(パートナー)がいるんだよね。
よくこんな不思議な人と付き合えるなーと思うんだけど、不思議ちゃんがツボな人っているのよねきっと。

ということを考えてしまった、依田さんの新刊。

商店街の茶舗の跡取り息子、若葉は30歳になるのに、人付き合いが全くダメ。
商売はできてるので、社会性はあり世間とも折り合っているのだが、恋愛感情に関してKYというか、理解不可能になると自分の中に引きこもって、相手を傷つけても全然わからない人。

結果的にものすごい無神経な奴なんだけど、彼には彼の考え方・行動の論理があって世界が回っている・・・ま、それがパーソナリティというものだ。

そんな若葉を、年下の編集者・吉川が、直球で口説きに口説く話・・・と説明すれば、単純にラブコメなんだけど面白いのは、依田さんが人のパーソナリティを掘り下げて描くのがとても上手いからだ。

それで「真夜中を駆け抜ける」の土谷昇氏のことなんですけど。

昇は、掃除好きで潔癖症の若葉とはまるで反対の、片付けられない男だけれど、ちょっと他人には理解が及ばないほど神経質なところがあって、それが本人自身も苦しめている。

潔癖だけど鈍感、神経質だけど掃除ができない・・・それが人間の面白さだよね。

依田さんって、昇と若葉を足して2で割ったような人なんじゃないなと、ふと思った。
そうじゃなければ、予告出してフェアまでやって、連載をまとめるだけの単行本を3年も中止にしたままにしておくなんて、普通はできない。

人から見たらどちでもいいようなことに、執ようにこだわるから多作はできない。
けれど完成度は常に高く、どの作品も何回読んでも新しい発見がある。

結局、「よろめき番長」ってなんのことなのか、「美しく燃える森」の何が問題で発売延期になったのかわからないのと同じように不明なのだが、面白くて満足度100%だったことには変わりない。
| コミックス | 16:49 | comments(5) | - |
50×50 国枝彩香

リブレ出版2010

国枝彩香は、シリアスとコメディの幅がものっすごく広い人ですが、新刊はまるごとリーマンコメディ。

高校時代からモテを競っている腐れ縁の2人、フラれる周期が一緒で、フラれると飲んでクダ巻いて前後不覚になって、一夜の過ちを犯し、その都度なかったことにして、毎度同じことを繰り返しているという・・・まあ、オチが見えるようなお約束のコメディなんですが、ギャグは半端じゃないし、レディコミ作家の強みで女性もいろいろ描けるし、あー面白かった〜、笑った〜という1冊なんですが、これってエッチは全部、いわゆる「朝チュン」なんですね。

国枝さんはもともとそんなにきわどく描かない人だけど、それにしても最初から最後まで「朝チュン」とは。大人同士なのに?
これは昨今の「規制ムード」を先取りしてるのだろうか?と穿ってしまったりして。

国枝さんくらい上手けりゃ、朝チュンでも十分に面白いわけですよ。
作者もあとがきで「攻め受けがわからないカップルを目指した」と書かれてますが(えっ、黒髪攻めじゃないの?!と思ったのは私だけ?)、これだったら子供が拾って読んでも大丈夫(かな??)

大阪ではついにBL雑誌が名指しで「有害図書」指定されちゃいました。
「有害」って言い方はどうなの? 作者に対して失礼な・・・と思うけど、異性愛同性愛に関係なく具体的に性行為が描かれていたら「成人指定」っていう判定はある意味公平だろうと思う。

でも「女性が普通の本屋で買いやすいエロ漫画」という役割も担いつつ、売り上げを伸ばしてきたBL業界の経緯を考えると、そういう判定をされちゃったら、商売としては厳しいかもね。

エロBLは同人誌に回帰、商業誌はエロなしでも描けるBL漫画家の育成にシフト・・・となるでしょうか?
どうかな・・・。

1巻と打ってないけど、これで終わりなのかな? まだ連載中?
ここで終わっても続いてもいい・・・みたいなかんじですね。
| コミックス | 22:14 | comments(0) | - |
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